V.A.「Punishment Party Vol.2」(2001)

01.Mercuro / 転落の影
02.MUSHI / MURDER -AUTOPSY MIX-
03.Bliss / MERRY
04.Lar〜Mia / 狂哀
05.UNDEAD+SERAPH / Secret Zone
06.Cilter / Twelve
07.Glass Moon / D-dust
08.Secill / 「君に、、、」
09.Arc:g:noel / Gypsy
10.RAPUNZEL / ONLY TO BE ALONE
11.Parasite Lucia / Lizarection-寄生サレタ狂人運命-
12.Radius / Callong
13.AIREAL / 通い妻
14.†SADIST† / Requiem

品番:VB-00002


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2001年にリリースされた、インディーズヴィジュアルバンドを集めたオムニバスアルバム。MercuroやMUSHIが参加していたのでちょっと気になり、かなり最近になって聴いてみました。

以下簡単に各曲について紹介。

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01.Mercuro / 転落の影
左右に振り分けられたボーカルがとても気持ち悪い(誉め言葉)、ダークでドロドロとした楽曲。自分が聞いたMercuroの曲の中では、比較的アップテンポで聴きやすい方かもしれません。

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02.MUSHI / MURDER -AUTOPSY MIX-
作詞・作曲:ken

デモテープ「tape M」に収録されていた楽曲の再録バージョン。デジタル音と打ち込みリズム、エフェクトの掛かったギターで走る激しい楽曲になっています。こういうダークなデジタルパンクは単純に好みですね。8分半程ありますが、後半は打ち込みのみのほぼインスト状態になっています。

オフィシャルサイト

03.Bliss / MERRY
作詞:俊一/作曲:優介、功一郎

いかにもソフビ系バンドの明るい曲といった感じの、ポップでメロディアスなナンバー。ハイトーンボイスなボーカルも危なげないですし、V系好きで明るい曲調が特に嫌いじゃなければ、気に入る人は多そうです。

04.Lar〜Mia / 狂哀
作詞:麗/作曲:瑠叶

元KEY PARTY所属バンドだったラーミア。そのKEY PARTYから出したデモテープ「誘蛾灯」に入っていた曲の再録バージョンが収録。ダーク系ヴィジュアルの王道と行って良さそうな、ツタツタ疾走曲になっています。デモテープの時より音がクッキリしてカッコ良くはなっているかなと。後にボーカルの麗はCannival Methodを、ギターの瑠叶はRIBBONを結成。ベースの朋は現在emmureeで活動しています。

05.UNDEAD+SERAPH / Secret Zone
作詞:楓/作曲:NAOKI

イントロのウネウネしたギターが印象的な、バンドサウンドによるシンプルな楽曲。アップテンポで妖しい世界観を出そうとしているのかなと思いますが、ちょっと音がシンプルすぎるせいかそのまま聴き流してしまうかも。

06.Cilter / Twelve
見た目がヤンキーっぽいメンバーが居るのでアッパーな曲が来るかと思いきや、物悲しい和風のメロディーが映えるバラードでした。そして中盤から疾走し、ボーカルもちょっと苦しそうですが歌い上げていきます。これ好きですね、古き良きヴィジュアル系といった感じで。

07.Glass Moon / D-dust
作曲:Glass Moon

フワっとしたギターが前に出たスローナンバー。音がこもっているため壮大感が欠けてしまっているのが残念ですが、こういうフィクション分を多く含んだ楽曲は結構好み。ボーカルとギターという編成からか、ギターの人があちこちでソロを弾いています。

08.Secill / 「君に、、、」
作詞:Gou/作曲:慧

出ました切な系メロディアスバンド。この手のボーカルとギターで引っ張るポップな曲を聴くと自分はこういうのに弱いとつくづく思います。ボーカルはRaphaelのYUKI系統の優しめの声。初めて名前を知ったバンドが多いオムニバスでしたが、その中では一番ツボを突かれたバンドかもしれません。

09.Arc:g:noel / Gypsy
作詞・作曲・編曲:NoluR

聴くまで知らなかったのですが、ボーカルが現Calmando QualのHIBIKIでした打ち込みサウンドがメインのダークでクラシカルな楽曲になっており、ボーカルの音程が色々心配になる部分もありますが、概ね好みです。

10.RAPUNZEL / ONLY TO BE ALONE
作詞・作曲:SATORU/編曲:RAPUNZEL

ギターが前に出たアップテンポな楽曲。サビでのコーラスを交えた歌い上げにメジャー感を感じます。

11.Parasite Lucia / Lizarection-寄生サレタ狂人運命-
何ですかこのMadeth gray'llっぷりはww
メンバーのヴィジュアル・曲名・歌詞・曲調…どこを取ってもマディスです。それも「狂死楽園」や「十字架の結末…」を出していた、まだ音もボーカルもショボかった時期の。まあマディスを引き合いに出さなくても、ドロドロした曲調に猟奇的な語りを交えたボーカルといった取り合わせは当時のV系では珍しくは無かったのかもしれませんが。ここまで似せていると最早ギャグの領域かもしれません。当時のV系に思い出がある方にとっては、ある意味一聴の価値あり…かも。

12.Radius / Callong
作詞:純一/作曲:TAKE/編曲:Radius

打ち込みのリズムに乗ったアップテンポな曲。所々に入るスパニッシュなギターパートにおっと思いますが、全体にはポップなメロディアス疾走曲になっており、ギターソロでもスピードを落とさずに気持ちよく聴けます。粗っぽい部分もありますが、アレンジ次第ではメジャーで出ていてもおかしくない曲調になっていると思います。

13.AIREAL / 通い妻
作詞:えありある/作曲:ИIRO

今作中唯一の女性ボーカルバンド。軽めの音ですが、シンプルでポップな曲調とほぼタイトル通りのストーリーな歌詞wで結構面白く聴けました。ちょっと女性版かまいたち? と思ったり。ギターのKёn≠zi以外のメンバーは変わりつつ現在も活動中なのはちょっと驚きでした(しかも結成が1993年)。また、この曲の作曲をしたИIROは、beaUを経て現在日々全てを飲み込むフカモカというバンドで活動中。

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14.†SADIST† / Requiem
作詞・作曲:REO/編曲:SADIST

こんな所にXのコピーバンドが! と言われても異議を唱える人が殆ど居なそうなバンドが出てきました。爆走するドラム、歌謡+クラシカルなメロを奏でるキーボード、ツインギターのハモリ、切ない歌メロ…どこを取っても影響受けまくりですよw ここまで来ると寧ろ「エックスだこれー!」という突っ込みは、彼らにとって最高の褒め言葉になるのでしょうね。個人的には笑いながらも気に入ってしまいました。技術的な事は分かりませんが、ボーカル以外は結構頑張っている気がします。少なくとも音質はBLUE BLOODの頃のXには勝ってると思うw シングルやミニアルバムを何枚か残しているみたいなので今更ながら気になるバンドです。

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全体には割と楽しんで聴けたオムニだったでしょうか。当時インディーズヴィジュアル界隈にこういうバンドが居たのが少しだけ分かるようになる…かも、という意味で、中古などで安く置いてあったら聴いてみるのも良いかもしれません。

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