一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

タグ:lovesolfege

love solfege『蓋然性進化論供(2013)

01. 蓋然性進化論
02. Concordia
03. 聖餐唱曲およびレチタティーヴォ
04. Universe
05. 白雪 〜Evil Snow〜(dans versie)
06. The orbit of the orbis
07. Mrs.Gorge
08. ever song
09. 蓋然性進化論供 off vocal〜
10. Concordia 〜off vocal〜

作詞 01、02:紺野比奈子 / 03:Simona Stanzani Pini / 04:山下慎一狼、Jenya / 05:葉月ゆら /07:ナイスクリーニング吉沢 / 08:真理絵、紺野比奈子
作曲・編曲 01〜04、06〜08:オーギュスト棒 / 05:love solfege
Sub assistant Arr.er:namanie banzaburo

発売日:2013/08/12
品番:KDR-078

Staff

Music:auguste beau
Arrangement:auguste beau
Sub assistant Arr.er:namanie banzaburo
Vocal: ayano eiri, ayu, katakiri rekka, Jenya, hatsuki yura, marie
Chorus(順不同・敬称略):
綿雪、阿木、サクモ、あばさ〜、桃園千夜里、apollonia、ジーザス勲、合川しの、りりかる、
Alias、鈴葉ユミ、真名辺あや、萩原、kayopon、ぱるふぇ、yurine、mino、legendary、かなこ、
natsu、彩目、どくろ、夢硯、はねやま、above_hiroiumi、うさぴ、いゆ、つわぶき すずり、koo、
しらゆき、みっつん、高月早岐、音之上王子、マヒロ、チェシャ@はっしー、西川美帆、
s.yamagishi、オーギュスト棒、ヒイラギトモ、elijah、綾辻ゆき、ばった、しき、佐藤正和、chibi、
朴正民、りんた、R.Johnson.CP、tama、マルキ・ド・マル子、ピザ王子、富士田渚、リン(rin697)、
亨、柚雨、原尚子、千葉ぴよ、美猫、みなみ、こるり、切り絵、荒ぶる神々・馬場、lequinharay、
72、琳、桃燐、青山悠李、yuuko、八月朔日、かえい
Guitar:kato hiroaki
Wave edit:B.F.kennedy, mizuno yuu
Recording engineer:auguste beau
Mix & mastered by:Blueberry & Yogurt(ヨ), saka tomotaka
Art Direction & Drawing:hamano masago
Graphic Design:cyber yui
Special thanks:S.A.T., nishizawa hagumi

(引用:アルバム特設サイト)



※備考
Vocal:綾野えいり(01、03、08)、真理絵(02、08)、Jenya(04、08)、葉月ゆら(05)、鮎(07)、片霧烈火(08)
ピアノ(07):オーギュスト棒


***

クラシカルアートポップスを称するlove solfegeによる、2013年にリリースされたアルバム。前年の『蓋然性進化論』の続編という位置づけになっており、特設サイトにはアルバムのテーマについても解説がありますが、曲を聞く分には、片方だけでは楽しめないという風にはなっていないので心配はない……はず。

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love solfege『Imperial Arc』(2013)

01.Imperial Arc(歌:綾野えいり)
02.終わらないチェス・クロック(歌:綾野えいり・真理絵)
03.dusk cage(歌:片霧烈火)
04.along the smart(歌:真理絵) 
05.Judgment(歌:片霧烈火)
06.青空の確率(歌:真理絵)
07.燋燄誓契(歌:Rita)
08.line of derivation(歌:真理絵)
09."Land art"(歌:綾野えいり)
10.交差するtalon(歌:綾野えいり)
11.永遠への誓い(歌:真理絵)
12.欠け月の夜に(歌:marina)
13.alba(歌:綾野えいり)

作詞 01、13:Simina stanzani pini/02〜04、06〜10:紺野比奈子/05、11:葉月ゆら/12:澄田まお
全曲作曲・編曲:松本慎一郎

備考
01、04:新曲
02、05、06:V.A.『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜 SONG COLLECTION「Beautiful World」』(2012)より
03:love solfege'『アクルグ解析による自由への教唆』(2008)より
07、08、11〜13:作品主題歌初音源化
09:love solfege' 『墟律のサンプル』(2010)より
10:V.A.『AMNESIA SONG COLLECTION「Remember」』(2012)より


***

ゲーム主題歌タイアップ曲を中心に、新曲2曲も収録したlove solfegeのベストアルバム。自主制作では頻繁にリリースを行っていますが、メジャー流通という形では約2年半ぶりとなりました。
過去にもメジャーで1枚のオリジナルアルバムと2枚のベストをリリースしていますが、自主制作盤からの出典が多かった過去のベストに比べ、本作はコンピレーション盤に散らばっていた楽曲や、正式音源化がされていなかった楽曲が中心にまとめられており、自主制作盤を揃えていた人にも美味しい内容となっているのがポイントでしょうか。

クラシック、R&Bなどの要素を取り込み印象的なメロディーを聴かせてくれるクラシカル・ポップスという路線は、このベストでも抜群の安定感を見せてくれますが、自主制作盤に比べると楽曲の幅が広めになっている印象で、クラシック色が減退しポップに突き抜けたものやロック寄りのアレンジを持った楽曲も目立つのは、タイアップ先の世界観も意識しているからでしょうか。特に「燋燄誓契」や「欠け月の夜に」のような、和風音階を前に出したポップロック調の楽曲は、(私が触れた範囲では)それまで出てこなかったタイプで驚かされました。
対して、新曲の1つであるタイトル曲「Imperial Arc」や「alba」といった、伊語によるオペラティックな歌唱とクラシカルな旋律がメインの王道路線曲(の1つと私は思っている)が最初とラストに配されているのに、これですよこれ! と思ったり。
特に好みに入ったのは、もう1つの新曲である「along the smart」と「交差するtalon」。どちらも終始鳴らされる軽快に流れるピアノと、サピでの突き抜けるようなアレンジが印象的な疾走曲で、聴いていて非常に爽快感があります。

前述したように楽曲の幅が広く、自主制作作品に比べ相対的にクラシック色は薄めなのですが、ポップス職人としての完成度は変わらず高い印象なので、その辺はこのグループにどのようなものを求めているかによって変わってくるかなと。個人的には、その求めるものが増えたという意味で手に取って良かったと思っています。

※参考リンク:axive (松本慎一郎(オーギュスト棒)による楽曲解説あり)

試聴あり
Imperial ArcImperial Arc
love solfege

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love solfege『蓋然性進化論機(2012)

01.Penitenza
02.ラプラスの戯曲
03.Вера в тебя
04.ゴルナーグラートと二人の少年
05.蓋然性進化論
06.あした吹く風
07.Scaramouche C'est La Vie
08.Penitenza (off vocal)
09.ラプラスの戯曲 (off vocal)
10.Вера в тебя(off vocal)

作詞 01:Simona Stanzani Pini/02、07:山下慎一狼/03:Jenya/05、06:紺野比奈子
全曲作曲:オーギュスト棒

Members
作曲・編曲・Guitar・Recording engineer:オーギュスト棒
sub assistant Arr.er・Recording engineer:なまにえバンザブロー
Vocal: 綾野えいり(01、07)、桜庭わかな(02)、Jenya(03)、真理絵(04、06)
Guitar:kato hiroaki
Wave edit:B.F.kennedy, mizuno yuu
Mix & mastered by:Blueberry & Yogurt(ヨ)
Art Direction & Drawing:hamano masago
Graphic Design:cyber yui

発売日:2012/08/11
品番:KDR-076


***

2012年にリリースされたlove solfegeの新作。
タイトルに「機廚班佞い討り、その年の冬に続編「〜供廚出る予定だったのですが、オーギュスト棒の体調不良により一度延期。今の所、今年(2013)の夏に発売予定となっているようです。
クラシック要素を下敷きにしたポップサウンドの安定感は流石ですが、近年の作品の中では比較的取っ付きやすい印象があります。あと、CDにカラオケ音源入れるのは結構久々な気が。


01.Penitenza
シリアスな雰囲気のピアノソロによるイントロから、ソプラノボーカルと打ち込みリズムで一気に盛り上げる、オペラティック且つダンサブルな楽曲。
きらびやかながら緊張感のあるアレンジと、クラシカルな歌メロとギターソロによる高揚感にはたまらないものがあり、冒頭ながらその強烈さにやられた本作における個人的ベストチューンとなりました。

02.ラプラスの戯曲
こちらは、よりアッパーなリズムにちょっと懐かしい旋律のチェンバロ風シンセが暴れまわる、レトロサイバー(?)な雰囲気のダンスチューン。少し陰を含んだような歌メロとボーカルも好みですが、間奏でのスリリングなピアノソロに前曲に続き高揚感を煽られます。

03.Вера в тебя
ボーカル担当のJenyaが作詞も手がけた全ロシア語による楽曲。
よりよりトランシーにサイバー色を強めたバキバキとしたアレンジですが、要所要所のメロディーやピアノソロにはやはり優雅な色を感じます。バラードパートが曲始まり・終わりに挿入されているのも、そんな印象を強めているのかもしれません。

04.ゴルナーグラートと二人の少年
ギターも交えたシンフォニックなアレンジがされたミドルポップチューン。タイトル位にしか具体的な単語は出て来ませんが、歌詞にはどこかストーリー性を感じるのですが。
そのシンフォニック加減や大仰なクワイアが挿入されるという要素があり、緊張感を持ちつつ軽快に聴かせてくる印象があります。間奏がまたシリアスながらメロディアスでツボなんだ。

05.蓋然性進化論
恒例のピアノソロ。
進行するに連れ表情を変えつつ、テンポ良く流れるようなメロディーを乗せ終盤まで突っ走ります。タイトルにある「進化」のイメージでしょうか。

06.あした吹く風
ピアノインスト含め、割りと押せ押せの流れでしたが、ここで一息といった印象のある、ピアノと包み込むようなシンセ・コーラスが優しげなムードをかもし出すバラード。
その穏やかな雰囲気や、儚げですが弱々しくはないボーカルのハマり方は見事ながら、前後の流れからすると、メロディー含めいささか地味な印象になってしまうでしょうか。個人的にあまり彼らに求めている部分ではない、というだけの話ではあるのですが。
今年になって出したメジャーでのタイアップ曲を集めたベスト盤の方では、この路線でツボな曲があったりしたので、本当に好みとタイミングの問題なのでしょう。

07.Scaramouche C'est La Vie
前曲に引き続き、ピアノをバックにした穏やかなバラード・・・・・・と思わせておいて、途中から一気に賑やかなで明るいアレンジに変貌する、初聴時良い意味で驚いたポップチューン。
ゆったりながらノリやすいリズム、親しみやすいメロディー、うたのおねえさん的な陽性のパワー全開のボーカル(でもえらい高音)と、「Penitenza」と同じ人が歌っているとはにわかに信じがたいのですが、これが好みにストンと入ってしまうのだから恐ろしい。優しく弾けまくるような音作りながら、要所要所にクラシカルなフレーズが入っているからでしょうか。


***

個人的には、最初と最後にピークがある印象ですが、全体的にもクラシック色の濃さを持ったポップスとして粒揃いなアルバムではないでしょうか。
続編『供戮呂海力線で行くのか少し異なるのか、そして久々にlove天で大喜利が繰り広げられるのか、気になります。

アルバム特設サイト(試聴あり)
love solfege

公式通販

love solfege'「墟律のサンプル」(2010)

01.墟律のサンプル
02.Cronaca dell'Akasha
03.アルカナの祈り
04.iota-theta
05.褪色回廊
06.somnium vitium
07."Land art"
08.MEMORANDOOM

作詞 02:Laura Baggio/03:ぬきちゃん。/05:リチャード・チャーン/06:Jenya/07:鮎/08:神田川雙陽
全曲作曲:オーギュスト棒
全曲編曲:auguste beau、namanie banzaburo

発売日:2010/08/14
品番:KDR-072


***

作曲を手掛けるオーギュスト棒(松本慎一郎)を中心とした「love solfege'」が2010年にリリースしたアルバム。5年程前からハマっていたのですが、感想を書くのは初めてですね。
結成10周年ということで、原点回帰的な方向で作っていたらしいのですが、聴く方にとっては今作も複数の女性ボーカルを迎え、クラシカルな要素をふんだんに使いながら聴き心地はポップに仕上がっているアルバムという感じを受けます。前作よりは少しカラフルな気もしますが。

以下各曲について。


01.墟律のサンプル
ボーカルは鮎。
壮大なイントロを抜けて、アップテンポな打ち込みリズムと、クラシカルなシンセのフレーズ・怪し気ですが流れるような歌メロが交差する楽曲。終始シリアスな雰囲気ですが、メロディーが立っているので聴きやすいと思います。そのボーカルですが、ずっと歌詞なしのコーラス(造語かも)で通しています。何と言ってるんだろう…。

02.Cronaca dell'Akasha
オペラティックな出だしからノックアウトされました…綾野えいりパネェ。少しダンサブルなデジタル音と、これでもかとばかりに使われるオーケストラ音によるクラシカルなメロディーの絡む壮大な曲ですが、その絡みがもうツボ過ぎます。透明感と力強さを持ったボーカルもバッチリハマっていると思いますし(途中の多重コーラスがまた凄いんだ)、8分近い曲にも関わらず、殆どスピードを落とさず開放的なアレンジで突き進むのも振り切った感じでたまりません。個人的に本作ではぶっち切りで好みですね。
…テンションに任せたら絶賛ばかりに(苦笑)。とりあえず、自分が「Mignon」でlove solfegeを知った時の衝撃を思い出させる程の曲だったという事でひとつ。

03.アルカナの祈り
ボーカルは真理絵。
切ないストリングスのメロディーが映えるイントロから始まる、打ち込みビートが目立つこちらもオペラ寄り(ボーカルがすっきりした声の人なので、どちらかと言えばミュージカルかな?)な楽曲。クラシカルなギターのフレーズも入りますが、どちらかと言うとキーボード主体のシネマロック…ってこれじゃAMADEUSだwクラシカルポップスですね。ストーリー性が強そうな歌詞もあって、メロディアスながら何処か悲壮な雰囲気も。こちらも8分近くあります。

04.iota-theta
軽快なピアノ演奏によるインスト。2分半程の曲ですが色々やっています。

05.褪色回廊
ボーカルは楠鈴音。
輪唱コーラスによるメロディーが可愛らしくも癖になるポップチューン。パキパキした打ち込みから、サビでは一転して大仰なオーケストラアレンジ、一部では民謡っぽい音も入ったりと展開の緩急が面白いです。作曲者、オーギュスト棒氏のブログによると、この曲は1時間半でレコーディングが終わったとか。

06.somnium vitium
打ち込みリズムと、クールなJenyaのボーカルが前に出た、R&B色の強い楽曲。淡々と進行する印象のポップチューンですが、サビはキャッチーだったりスタイリッシュな流れに溶け込みながらもピアノソロはやっぱりクラシカルだったりと、その辺の主張はしている気がします。

07."Land art"
こちらも全曲の流れを汲んだような、軽快なリズムで引っ張る曲調ですが、要所要所で叙情的なメロディーを奏でるアコギや(一部ではチェンバロっぽく聴こえたり)、ボーカルが綾野えいりという事もあってか印象は結構異なります。こちらはクラシカルな要素がより前に出ているような。「Cronaca〜」が即効性に長けているなら、こちらはスルメ型の楽曲でしょうか。

08.MEMORANDOOM
ボーカルは桜庭わかな。
流麗なピアノと弦音によるイントロから、ループするデジタルサウンドに気怠げなボーカルが乗って展開するダンサブルな楽曲。ですがサイバー色がなく、寧ろ妖し気な空気がプンプンなのは、ボーカルの声質が妙にエロい(個人的に)のと、その歌メロの引きが強いからなのかなと思ったり。コーラスも裏で複雑に絡み合っています。終盤は再びピアノ中心のパートになり厳かに終了。

***

個人的には02、03が頭抜けて好きですが、他の曲もクラシカルなメロディーをうまく織り混ぜた聴きやすい楽曲が揃っているのではないでしょうか。作り手からすると難しいことを色々試しているようですが、自分みたいな音楽理論が全く分からない人にも、小難しくならずちゃんとポップスとして成立しているのは好印象。
自分が聴いてきた限りでは、1枚気に入れば自動的に他のCDもハマるグループだと思うのですが、本作は最近のアルバムの中でも入りやすくなっている気がします。ディープ過ぎるのは苦手だけど、クラシカルなメロディーが入ったボーカルものってないかな…と思っている人は一度お試しを。

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アルバム特設サイト(試聴あり)
love solfege’

オフィシャルサイト

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