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ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版(2009) 公式サイト

ストーリー:
世界の家族間の問題をテーマにしたドキュメンタリーを製作している、カナダの映像作家:ベロニカ・アディソンは、今回日本の埼玉県所沢市の大家族・浦(うら)家を取材の対象に選びました。一見明るい家庭に見える浦家ですが、音信不通の長女、引きこもりの長男、家庭内暴力を振るう三女、新たに浦家と一緒に暮らし、新しい父親として頑張ろうとする純夫に心を開かない子供達など、多くの問題が…。


***

これで2度目の映画化になる放送禁止シリーズですが、今回のエピソードは多分に外伝的な要素が強いのかな? と感じました。今回の映像はお蔵入り設定になってないですし、そもそも監督はアディソンですしね!w 最後までそのまま通したのは、パート5「しじんの村」や6「デスリミット」で冒頭等に「これはフィクションです」の表示があったのを考えても、製作者GJという所でしょうか(まぁ、映画館まで出向くのは熱心なファンが多いでしょうから敢えて表記する事もなかったのかな、とも思いますが)

ストーリーに関しては、一応パート2「呪われた大家族編」の後日談という形をとっていますが、前作劇場版の「復讐執行人」とパート6「デスリミット」の関連のように先にテレビ版を見ていないときつい、という事はあんまり無いかな、と。それでも見ておいた方がベターだとは思います。作り方はちょっと変則的でしたが、画面のあちこちに手掛かりを散りばめたり、言葉遊び的なヒントがあったりと、見方はいつもの「放送禁止」シリーズといった感じなので、過去の放送禁止を見ている人にとっては結構分かり易く作ってある印象を持つのではないでしょうか(逆に言うと早くに結末が読めてしまう恐れもある訳ですが)。私はあまり頭が良くないのか、終盤でうをぉい!? となってしまいましたがw 良いのです、こういうのは騙されてナンボなんです。
やっぱり自分はこういう胡散臭いのが好きみたいです。また観に行くかもしれません。

自分は昨日、池袋ロサの最終回に行ったのですが、上映終了後、「企画協力」の長江俊和氏による単行本のサイン会があり、私もサインを頂いてきました。欲を言えば長江監督のトークショーとかもあれば……(だから監督はベロニカですってば!)

※7/13追記
他の方の感想を見て回っていたら、どうやらfunction code();/LAB. THE BASEMENTのTADAOMIさんが同じ劇場にいらしていたようで。映画とは関係ないのですがちょっとびっくりしましたw

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放送禁止放送禁止
長江 俊和

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以下自分用ネタバレ箇条書き。(※ストーリーの性質上、「呪われた大家族編」のネタバレ、及び放送禁止他作品についても少しだけ触れていますので御注意下さい)※2009/07/29 2回目の鑑賞で気づいた事を追記・文章の一部を変更。

・パート3「ストーカー地獄編」とは別の設定の話かも
→パート3でジャーナリストの紹介シーンで「大家族で起こった殺人事件を取材し注目される」というテロップが流れるが、今回の映画では、浦家から逮捕者が出ていた様子は伺えない(パート2の取材は2002年、パート3の取材は2003年、今回のベロニカの取材は2009年)。
まあパート2作った時点では今回の映画の構想はなかったでしょうし、パート3での殺人事件も、浦家の事とは一言も言っていない訳ですが。

・隆太がベランダから転落した際、2階から誰かが覗いていたような…
→司…? よく確認できず。ネットを見ていると、子供達へのインタビューでちょいちょい司が覗いていたらしいのですが、これに全く気づけなかった俺って…orz デスリミットでも「アレ」を初見では見逃してましたし。ちょっと豪毅にジャストミート! されてくる。(※2009/07/29追記 2回目の鑑賞で、子供達が前夫:敬一郎について語るシーンにて、後ろから監視するかのように覗く司の姿を確認。怖いですお母さん…)

・取材の1年前にも檸檬が自転車の事故で負傷
→司が殺意を持って細工したか。死亡・負傷による保険金を当て込んでいた模様。
※2009/07/29追記:隆太入院後、司が家で電話を切った後インタビューに応じるシーンにて、司の近くに「生命保険証」と書かれた紙が見える。

・2回ほど映る果物の入ったバスケット
→果物に刺さっている包丁の数が増える。司が殺そうとした(怪我をさせた)子供を表している?(レモンははっきり確認できたが、他は曖昧。バナナにも刺さっていたような…誰だろう)
※2009/07/29追記:1回目ではレモンとドラゴンフルーツ(らしい)に刺さっている。去年の檸檬と今回の隆太の事故は、司が手を下したという暗示か。そうすると司は1年前から新鮮なレモンを買ってきては包丁を突き刺していたことに…どうでもいいツッコミですけれどw 2回目ではバスケットの中ほぼ全ての果物に包丁がグッサグサ。

・豪毅の部屋に張ってある紙の文句
「バット一発」「十三振だ」
→バット一発 父さん死んだ→前夫の殺害(豪毅が敬一郎をバットでジャストミート)
「ハハハ」「サイコーです」「強打」「行こロス」
→最初「ハ×3=ハサン(破産)」:家計が破産しない為に保険金が必要? とも思いましたが; 物語の流れ的には「ハハは サイコーです」「きょうだ いころす」→「母はPSYCHO(異常者)です」「兄弟殺す」でしょうか。
「猛虎」「ロスしかない」
→「もう殺すしかない」 ここまで来ると直球すぎるw
単行本に「しじんの村」のエピソードが入っていたのが分かる気がします。言葉の解き方がほぼ一緒ですからね。

・エンリケ(と前夫)の墓の近くで遊ぶ子供に司が激怒
「あんた達一人位居なくなっても構わないんだからね!」
→すごく…怖いです…。

・勉強している団へのインタビュー
団「母がよく『ほけん』『ほけん』って言ってるから保健体育を頑張らなきゃいけないのかなぁって」
→×保健 ○保険。前夫の失踪から7年が経過する為保険金が入る。子供を殺すことによって入る保険金も含まれるかも?

・同じく団へのインタビューシーンで、すももと雷智が描いた、エンリケのおばけの絵を見つめる純夫
→この家or土地に何か良くないものがあるのではという恐れ&前夫の保険金が入るので、この辺りで引越しを思いついたのかも知れません。浦家の秘密について何か勘付いたのかも知れませんが、これは考えすぎか。(※2009/07/29追記:結局この「エンリケのお化け」は何だったのでしょうね。呪いによって浦家に不幸が起こっている? という表の物語向けの演出だったのでしょうか。)

・お昼に親子丼を食べるシーン
司「これは(卵を産んだ鶏を殺して一緒に料理した)本物の親子丼なんですよ」
→前夫に続いて今度は子供も殺そうという考えの表れか。

・純夫の引越しの提案
→引越しにより今の家が解体されると、庭に埋めた前夫の死体が見つかる恐れがある。この時点で司は純夫の殺害を思いついたか。また梨枝や隆太の純夫に対する暴力は、司に殺意を抱かれる前に、純夫をこの家から追い出そうとしていた為?(これは妄想に近いですが)

※2009/07/29追記:純夫が改めて引越しの決意を語るインタビューシーンにて、外から林檎が覗いているのが見える。
→この前のシーンが、前述の「子供へのインタビューを監視する司」だった事を考えると、この後辺りから子供達は司の方を消す方向で話を進めていったのかもしれません。

・テレビ版にも登場した牛肉の煮物
→司としては前夫同様、毒を盛らせて弱らせて殺害しようとしていたが、既にこの時点で子供達は純夫を殺す気は無かった為、加えていた隠し味は文字通り「隠し味」(終盤で判明)。これは司への偽装と、テレビ版を見ていた人への小ネタ&ミスリードでしょうか。私はまんまとやられました。キャンプ場での豪毅の素振りも性格は一緒かな? ただ司を実際に突き落としても、豪毅がバットで殴ってから転落したように偽装してもストーリーの運びに問題は無さそうですけれど。

・ネットで見かけた説「純夫と林檎はデキている?」
→どうなんでしょう。林檎が勤めていた風俗店を辞めさせる為借金を肩代わりしたり、それまで梨枝に暴力を振るわれても無抵抗だった純夫が、一度林檎を叩いた梨枝に対し真剣に怒ったり(この出来事の後、純夫と梨枝の関係は改善する)、という事はありましたが、ストーリー全体から見るとそこまで不自然な印象は無かった気がしますが…。これはどちらにとっても話は成立しそうですね。これと合わせて司の殺害計画を純夫は知らされていたのか、という疑問もありますが(司が負傷したキャンプの計画を立てたのは純夫)、これもどうとでも取れそうです。個人的には純夫だけが真実を知らない方が怖さは増すかな、と。

・これまであったラストでのヒントの振り返り&「あなたには真実が見えましたか?」のテロップはなし。今回はあくまでベロニカ・アディソンの作品です。


これくらいでしょうか。見落とし・勘違い沢山ありそうです。