DIE-QUAR「ゆりかご」(1993)

01.扉
02.無口に腐乱…
03.Malice ―序曲の舞―
04.狂いかけた白夜
05.砂に、還える少女へ
06.Fin ―幻想の森―
07.逢魔が刻
08.×××SEXED
09.Ma-Ma
10.「爛人」と「神」
11.ジレンマ

作詞 01〜04、06〜11:Wataru/05:TSUJI
全曲作曲:DIE-QUAR


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ボーカル:辻“Wataru”亘、ギター・シンセサイザー:山田“鈴音”洋資、ギター:平井“乱音”修一、ベース:森本“JIN”仁、ドラム:西尾“要”肇によるバンド「DIE-QUAR(ディーキュアル)」の1stアルバム。というかオムニバスこれ以外にはCD音源は出ているのかちょっと分かりません。「ジレンマ」はそのオムニバスアルバム「BRAINTRASH」にも収録されていますが、こちらは新録バージョンになっています。作詞は全てWataruですが、ブックレットの記載が5曲目だけTSUJI名義なのは何か意味があるのでしょうか…。
全体にダークでドロドロとした曲調が多く、お世辞にも上手くない…と言うか明らかに音程を外しまくっているボーカルのフニャフニャした歌唱や耽美・猟奇的要素を混ぜ込んだ歌詞などが病みまくった印象を与えており、同時期に1stアルバムを出したDeshabillzに通じるものを感じます。アルバム全編に亘ってこの調子なので聴き終わる頃にはグッタリしてきますが、ここまでやり切ればあっ晴れですよもう。またシンセ・打ち込みが効果的に導入され不気味な雰囲気の演出に一役買っており、クラシカル、と言うか曲によってはアラビアンなメロディーが結構印象に残り、個人的に「狂いかけた白夜」や「×××SEXED」「ジレンマ」等はその要素が強く好みだったりします。

呪いのビデオならぬ呪いのCDとも言えそうな、上述した打ち込み要素もありつつ日本的なジメジメしたホラーな空気が充満しているアルバムでした。時代柄音がちょっと軽いのは仕方ないのかも知れませんが、90年代前半にこんなバンドが居たと言うだけでもう十分ですw ダーク・猟奇的な世界観のV系バンドが好きな人なら一聴の価値はあるのではないでしょうか。
またギターの鈴音は現在YAMADA名義でMAGIER SEXALICEで活動しています。

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