Circletempo/Luck Ganriki「Dear Golden Witch」(2011)

01.Witch In a Bottle
02.黄金夢想曲X 〜黄金の奇跡を叶えるまで〜  / Vo.本木咲黒
03.胡散の香り2010
04.オルガン小曲 第6億番 ハ短調
05.HIBUTA2011
06.サソリのハラワタ
07.Happy Maria! / Vo.木野寧
08.小麦色の微笑
09.ロウソクたちが踊る
10.白日夢の果て / Vo.木野寧
11.幻 VS 現
12.金色の嘲笑2010
13.599 million ruins
14.Birth of a new witch(Game size) / Vo.本木咲黒
15.蒼色の冷笑2011
16.Happy Maria! -BAND ARRANGE-(Instrumental)
17.キ・ナの香り2011
18.笑み亡きソワレ
19.鈍色の空笑
20.Golden Nocturne(Instrumental)
21.ウサンノカオリ / Vo.木野寧
22.オトナノノミモノ
23.ビジーデビルズ〜7mendo no Kaori〜
24.黄金夢想曲〜金色の血に染まる前に〜(Instrumental)
25.劇場-UNKNOWN-
26.あの日にふれたくて / Vo.片霧烈火

備考:
04、06、07、09、10、22、26:「Sound of the golden witch」(2008)より
18、19、21:「霧のピトス」(2010)より

作詞 02、14、21、26:ラック眼力
作曲 01、03〜22、26:ラック眼力/02、24、25:ラック眼力、dai
全曲編曲:ラック眼力

発売日:2011/08/13
品番:TEMP-0005


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あけましry去年の内に書こうと思ってたのにそのままになってたヤツだこれー!? そんな訳で、年末年始のバタバタだったりゲーマーモードに入っていたりでちょっと間空きましたが、今年もよろしくお願いします……。

本作は、「うみねこのなく頃に」シリーズにラック眼力が提供した曲をメインに収録されているCD。過去リリースしたうみねこ関連CDからの楽曲も収録されたベスト盤的な内容となっていますが、全曲リマスタリングに加え新曲・リアレンジ曲も多いため、過去作を持っている人にもお得感のある内容なのではないでしょうか。

以下各曲について。本編のネタバレ的なアレもちょこちょこ絡めて書いているので、取りあえず畳んでおきますよ。

01.Witch In a Bottle
新曲。ピアノとストリングスがメインの、クラシカルでメロウな旋律が映える小曲。

02.黄金夢想曲X 〜黄金の奇跡を叶えるまで〜
共にうみねこシリーズへBGM提供していたdaiとの合作による新曲。うみねこを原作とした格闘ゲーム「黄金夢想曲X」の主題歌で、チェンバロやストリングスがスリリングな疾走感を演出するボーカル曲となっています。そのウワモノとギターとの絡みや変拍子のキメ、女性ボーカルながらほんのりクラシカル+歌謡曲チックに歌い上げるメロディーは、V系スキーの琴線にも触れる所があるのではないかなと。
個人的には同じくdaiさんとの合作だった前作(?)主題歌「黄金夢想曲」の方が、メロの優雅さでは勝っている気がするのですが、一応格ゲーのテーマ曲ですしこれ位パワフルで良いのかもしれません(現時点で「黄金〜」はやってないけど;)。

03.胡散の香り2010
2008年にリリースされた「Sound of the Golden Witch」収録曲のリアレンジ版。
色々なタイプの曲を作っているラック眼力さんですが、うみねこEp1で印象に残ったBGMの一つがこれだった為に、すっかり「怪しい/胡散臭い曲を作る人」という印象が……w それ位、この怪しく優雅に、そしてユーモラスに跳ねるピアノのメロディーは強烈でした。基本的な構成はSound〜と一緒ですが、後にボーカルを入れて「黄金シンドローム」に収録されたバージョンを改めてインストとしてアレンジし直したような印象があり、パーカッション音をはじめ各々のメロが若干くっきりした気がします。

04.オルガン小曲 第6億番 ハ短調
「Sound〜」からの収録。1分半程のクラシカルなオルガンソロで、Ep1お茶会にて初めてベアトリーチェが姿を見せた時のBGMだった事もあり、短いながら強烈な印象を残した1曲でした。憎たらしかったり顔芸だったりw一転しおらしくなったりと色々変化していったベアトのキャラクターですが、この時期はまだまだ得体の知れなさが漂っていますね……。

05.HIBUTA2011
「Sound〜」収録曲のリアレンジ版。ギターとチェンバロ、ストリングスが乱舞する優雅でダイナミックな楽曲となっており、うみねこ内の燃え曲パートの一つとなっていました。こちらも構成は原曲と一緒ですが、全体的に音に広がりが増し迫力が出た印象。

06.サソリのハラワタ
「Sound〜」からの収録。オルガンのみで構成されたハモリが映える、荘厳ながら不気味な雰囲気の楽曲で、以前「霧のピトス」でも書きましたが、MALICE MIZERが「薔薇の聖堂」辺りで使いそうに思えるフレーズが入っているのがより好みに入っている一因なのかもしれません。終盤突然テンポアップする展開もツボ。

07.Happy Maria!
「Sound〜」より収録のボーカル曲。当時の感想記事にて中心に取り上げたのでよろしければそちらを。ラック眼力さん自身によるブックレットのライナーで、マジカル郷田シェフを意識したと思しきネタがチラッと取り上げられている…w そう言えばこの曲、遂に正式な歌詞が出ることはありませんでした。

08.小麦色の微笑
新曲。アコギとフルート? をメインに据えた、温かな雰囲気を持った小曲。後半はチェンバロも挿入され一盛り上がりしますが、あくまでトーンは穏やかなまま聴けるようになっていると思います。

09.ロウソクたちが踊る
「Sound〜」からの収録。こちらもオルガンのみで構成された、クラシカルな旋律が映える緊張感ある楽曲。

10.白日夢の果て
「Sound〜」より収録のボーカル曲、というかアカペラ曲。楽曲自体は賛美歌のような多重コーラスが心地良い、癒される事請け合いの曲なのですが、BGMとして使われたシーンがシーンだけにその落差が凄まじいというか、えぇ……。ブラッディ・○○○○! その他諸々! おかわりもあるよ!!
個人的にリマスタリングの具合が分かりやすい曲でした。

11.幻 VS 現
新曲。.黄金夢想曲Xと同系統の、チェンバロの絡むスピード感のある疾走ロックチューン。2分程で途中からフェードアウトしてしまいますが、要所要所のキメのフレーズが小気味良いです。

12.金色の嘲笑2010
「Sound〜」収録曲のリアレンジ版。ピアノ・チェンバロをメインにした、優雅ながら胡散臭さプンプンのメロディー(褒めてます)が耳に残るスローチューン。こちらも原曲と構成は一緒ながら、やはり各々の音を若干させている印象があります。
また、志方あきこのミニアルバム「うみねこのなく頃に」には、この曲のボーカルバージョンが入っており、正に嘲笑! といった感じでまた違った……というか色々凄まじい出来になっているので、そちらも是非。

13.599 million ruins
「オルガン小曲 第6億番 ハ短調」の主旋律を使ったオルゴールアレンジ、といった感のある45秒ほどの楽曲。
因みに「Sound〜」の方では「600 million ruins」となっていますが、あちらはアルバムエンディングということなのか、うみねこ本編中のSE等が色々挿入されたロングバージョンになっています。

14.Birth of a new witch(Game size)
2009年にリリースされた「黄金シンドローム」に収録されていた曲が、Ep6本編エンディングに使用した際のショートバージョン(それでも3分弱ありますが)。楽曲の感想の方は黄金シンドロームの記事を御覧下さい。当時はそこまでハマっていなかったようですが、本編内で使われたインスト版含めメロディーが段々癖になってきた曲でもあります。リマスタリングでボリュームも少し大きく。

15.蒼色の冷笑2011
dai氏のサークルM.graveyardと共同名義で出された「霧のピトス」収録曲のリアレンジバージョン。ギターが追加&バイオリンが生演奏になり、テンポも上がってよりスリリングさを増したアレンジになった印象を受けます。
本編をやっていると、我らがヱリカ様のテーマという印象が強い楽曲ですが、ライナーによると別のキャラクターの設定を勘違いしたまま、そちらのテーマとして作曲していたとの事でちょっとびっくり。そのまま引用するのは気が引けるので名前は伏せますが、今となってはそのキャラのバックで使われている所が逆に想像しづらい……w

16.Happy Maria! -BAND ARRANGE-(Instrumental)
「黄金シンドローム」収録曲のインストリアレンジ版。「黄金〜」に入っているカラオケバージョンとも異なり、歌メロの部分をシンセでなぞったアレンジになっています。そして打ち込みドラムが結構やかましくなっており、思わずデ○ンジェやクレ○ズ等で知られるあの人のドラムを思い出したり(笑)

17.キ・ナの香り2011
「霧のピトス」収録曲のリアレンジバージョン。こちらは2010年に出た「Goldist」収録のボーカル入りバージョンを基にリアレンジされたようで、歌メロをピアノやバイオリンの旋律でなぞっており、前曲や胡散の香り2010と同じような方向でアレンジされた印象を受けました。こちらもボーカル版共々、人を喰ったような軽快さが強調されて癖になってきます。

18.笑み亡きソワレ
19.鈍色の空笑
2曲共「霧のピトス」からの収録。感想はそちらを御覧下さい。

20.Golden Nocturne(Instrumental)
Ep7で使われた、ストリングスを主旋律とした疾走メロディアスチューン。扱いとしては2009年リリースのうみねこのイメージアルバム「ROKKENJIMA IN LOVE」(現時点で私は未聴)収録のボーカル曲が初出なので、こちらもインストアレンジ版という事になりますが、バックで散りばめられたチェンバロやギターソロもあり、インストながら熱さを十分に感じられる曲になっているのではないかと。

21.ウサンノカオリ
「霧のピトス」からの収録。感想の方は当時の衝撃含めあちらの感想を読んで頂きたいのですが、こちらは微かながらイントロのフェードインがカットされています。そしてブックレットの大月教授ww そうですよ……仮にも彼視点の曲なのですよこれは……。

22.オトナノノミモノ
「Sound〜」からの収録。ラック氏のうみねこ関連曲の中でも特に真っ当に落ち着ける(?)、ベースとピアノが前面に出たジャジーなスローチューンになっています。と言っても本編では未使用だったのですけれど。

23.ビジーデビルズ〜7mendo no Kaori〜
新曲。てかサブタイトルww
胡散、キ・ナの流れを汲む、レトロな曲調ながらやはりどこか小馬鹿にしているような軽快で流れるような旋律が印象的な楽曲ですが、途中途中で勇ましさを感じるパートが挿入されたりと一筋縄ではいかない感じも受けます。

24.黄金夢想曲〜金色の血に染まる前に〜(Instrumental)
「Goldist」収録曲のインストアレンジ版。イントロのチェンバロとコーラスから始まる、ギターを主旋律とした優雅さと激しい旋律が映える楽曲になっています。こちらも他のインスト版同様、Goldistに入っているカラオケ版とはアレンジが異なっており、間奏をカットしインストとして構築し直したような形になっています。

25.劇場-UNKNOWN-
新曲。「霧のピトス」の歌メロをチェンバロと管楽器でアレンジした、穏やかながら寂しい印象も与えられるスローチューンになっています。

26.あの日にふれたくて
「Sound〜」からの収録。ピアノをバックに歌い上げる切ないバラードとなっており、途中からバンドアレンジに展開していきます。本編では使われませんでしたが、Ep4辺りの縁寿を連想させる歌詞と奇を衒わない王道ポップス的なアレンジが組み合わせが映える良曲となっているように思え、どこかで使われても良かったのではないかな……とも。個人的に、未だに解釈に困る部分が満載のEp8ですが(苦笑)、そちらの彼女の心境にも当てはめやすい所はあるかも知れませんね。



…………どなたか、あたまのわるいおじさんにけっきょくあれはなにがどうしてああなったのかごしなんのほどをry

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アルバムの流れとしては「霧のピトス」が好みなのですが、本作はうみねこにおけるラック眼力さんの楽曲が満遍なく収録されているので、本編完結後に聴いてみたいという人には入りやすい作品となっているのではないでしょうか。
そして今更ですが、このジャケットが(愛を持って見た場合の)Ep8を端的に表している気がしたりしなかったり。

アルバム特設サイト(視聴あり)
200_40


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メロンブックス
とらのあな