emmuree「祈り」(2003)

01.手紙
02.祈り
03.葬列と×××
04.真実の雨

全曲作詞:想
作曲 01、02:想/03、04:ハルカ

発売日:2003/07/??
品番:HNS-003

Member
Vocal:想
Guitar:ハルカ
Bass:朋


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旧年中のストックふたつめ。

もう中堅〜ベテランと呼んでおかしくない程の活動を積んでいるバンド「emmuree(アンミュレ)」が、2003年にリリースしたシングル(ミニアルバム?)。今の所、新品で手に入れられる音源としては一番古いものになりますね。現在、想は…。【サイレンス】・加納キカイ、ハルカは紅ノ桜・再結成NOISY CROWDSでも活動中。
この時期はドラマーがおらず3人+打ち込みドラムでしたが、ダークでメロディアスという流れは出来上がっている印象を受けます。歌詞は4曲共「戦争」がテーマみたいですね。

以下各曲について。


01.手紙
淡々と刻まれるリズムとか細いボーカルで展開する前半から一転、サビで一気に爆発し歌い上げるバラード。その悲壮感すらを感じる切ないメロディーのインパクトは大きく、サビ→大サビが1回のみという構成ながら短さを感じさせない楽曲かなと。シンプルですが、今でもかなり好みな1曲。
また、Sugarとのスプリットシングル「Darker meets Deeper」にてSugarにカバーされています。

02.祈り
歌詞が「手紙」と対になっていると思しき、ミドルテンポのメロディアスチューン。想さんの艶のあるボーカルはこの時期から完成されているように思えますが、その声が4曲中最も堪能できる1曲でしょうか。個人的にBメロの少し急ぐような歌い回しがツボですが、その後サビでもしっかりと歌い上げてくれます。時折潰れたような音を出すギターもあり、日本的なジメッとした雰囲気が漂いますが、歌メロはしっかりしているので聴き辛い曲になってないのではないかと。
少し前に観た加納キカイのライブでも演奏されたりと、バンドの中の人にも大切にされているようです。

03.葬列と×××
キリキリとしたギターが前に出た、ダーク・ハード寄りの楽曲。その神経質で耳に優しくない音が支配する(褒めてます)ギターにはゴシックパンク要素を感じ、対する打ち込みのツタツタリズムにはジャリバン臭がほんのり……ですがボーカルはしっかりしているのでショボさはそんなに感じない……とある意味一粒で2、3度美味しい曲かもしれません。

04.真実の雨
やはりダークな雰囲気ながら、疾走感あるテンポのため比較的聴きやすい? と思われるメロディアスチューン。裏声とネチっこい声との掛け合い的な構成のサビが印象的で、初聴時思ったのが……「ドス黒いラ○ク」w 改めて聞き返すと特定のバンドを用いずともV系王道的な楽曲に思えますが、当時はオサレ系がどんどん出てきていた時期でしたし、こういう音は逆に珍しかったのかもしれません。
後に1stフルアルバム「Love Letter -Dark Mania-」で再録されました。

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実は、本作の後一気にすっ飛ばして2010年の2ndフル「灯陰」を聴いたりしているので、あまり偉そうなことは言えないのですが;最近の音源からの断絶も感じず、方向性が既に固まっていたように思えます。
基本4曲共ボーカルが立っているので、ダークなV系好きの方には広く勧められる気がします。


……と記事を寝かせている間に、4月にベストアルバムのリリースが決定していました。そのまま使うのか新録かはまだ分かりませんが、V系ショップの情報を見る限り「祈り」「葬列と×××」は入るようなので、そちらを取っ掛かりにしても良いかも知れませんね。

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