deadman「no alternative」(2003)

01.intro
02.盲目の羽根と星を手に
03.苦悩の中の耐え難い存在
04.受刑者の日記
05.銀のパラソル
06.ドリスからの手紙
07.rem.
08.imp
09.lunch box
10.in media
11.circus
12.through the looking glass
13.quo vadis
14.蟻塚

作詞 02〜07、09〜14:眞呼
全曲作曲:aie
全曲編曲:deadman

発売日:2003/03/08
品番:DSRDA-0001

Member
Vocal:眞呼
Guitar:aie
Bass:Takamasa
Drums:Toki


***

2006年に活動を休止したdeadmanが2003年にリリースしたフルアルバム。現在the god and death stars、highfashionparalyzeで活動しているaieがギタリストとして在籍していました。
全14曲で1980円という、洋楽並みのコストパフォーマンスの良さも当時話題の一つになっていたような。

実のところかなり最近になって手に取ったアルバムなのですが、しっかりと楽曲を支えるリズム隊を下地に、ザラッとしながら乾いたギターが動きまわる音作りがメインとなっており、そこにV系歌唱を基本としつつ表現が多彩な眞呼のボーカルが存在感を示しているイメージを受けます。
聴く前にはもっと陰々滅々としたアルバム……という予想があったのですが、基本的にそのボーカルが立っており曲数の割りに飲み込みやすい印象、でも全体的に憂いのある雰囲気も感じたり。「ドリスからの手紙」のような切ないミディアムバラードや、軽快なシャッフルリズムが印象的な「in media」等もしっかり主張しています。
個人的に特に入ってきたのが、そのザラザラしたギターが前に出たハード寄りの「受刑者の日記」と「lunch box」。特に後者は反復される猟奇的なフレーズを吐き捨てるように歌いつつ、サビでは朗々と歌い上げる対比的なボーカルもあり、スリリングな1曲となっています。個人的に、「REDDISH COLLECTORS NO DEAD ARTIST」をリリースした辺りのMerry go roundを思い出したり(そう言えば、確か眞呼さんはメリゴのローディーをしていたような)。

私自身にレコーディング関係の知識がないので何とも言えないのですが、他所のレビューサイトさんでは録音状況があまり良くない事が軒並み指摘されている事は触れておいた方が良いのでしょうか。確かにヘヴィさを押し出したアレンジではないものの、個人的には極端に軽さは感じない……どころか、シンプルな音数でパンキッシュな面を持つ本作では寧ろ丁度良い塩梅にも思えるのですが、どうなんでしょう。
これを書いている時点では未聴ですが、活休後にミックスをし直し一部新録も行った2.0バージョンが2009年に出ているので、今から聴く人はそちらの方が入手し易いかと。私もその内聴き比べてみたいですが。

リリースされた時期を考えると、シーンのメインとは全く違った所を掘り込んだアルバムだったのかなとも思いますが、それ故変に時代を感じることもなく、内面から滲み出るような黒さとポップさを今も味わうことが出来るのではないでしょうか。

クローゼットチャイルド
ルーシーズポケット

こちらは2.0↓
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deadman

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