D'espairsRay『BORN』(2004)

01. BORN
02. Marry of the Blood
03. murder freaks
04. 闇に降る奇跡
05. quarter・void
83.シークレットトラック(限定盤のみ収録)

全曲作詞:HIZUMI
全曲作曲:Karyu

DVD(初回盤のみ)
Garnet (PV)

発売日:2004/04/21
品番:UMCE-8200

Members
VOCAL:HIZUMI
GUITAR、ADDITIONAL PROGRAMMING:Karyu
BASS:ZERO
DRUMS、ADDITIONAL PROGRAMMING:TSUKASA


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当時の新曲(01、05)と既存曲リメイク3曲で構成された、D'espairsRayのミニアルバム。限定版には前年にリリースされたシングルタイトル曲「Garnet」のPVが収録されたDVDが付いていました。
この辺りから音源がメジャー流通に乗り始め、BUCK-TICKなどのサポートを務める横山和俊がシンセ・プログラミングに参加するなど、バンドが大きくステップアップしていた時期といえるでしょうか。

新曲の1つでタイトル曲でもある「BORN」は、ノリの良いリズムとヘヴィでサイバーなアレンジで突き進む攻撃的なナンバー。当時、サビ終わりのシャウトが「ゴスロリあぼーん!」と空耳されていたことでも親しまれていた記憶がありますが、それを含めて(?)即効性のあるインパクトとカッコ良さを備えた楽曲だと思っています。

2003年のシングル『MaVERiCK』収録曲のリメイク「Marry of the Blood」のみ、SUGIZOがプロデュースとバイオリン、d-kikuがプログラミングというLUNA SEAチームが参加していますが、原曲の頭に民族音楽調のソロを付け加えているという形なので、本編のアレンジ自体はそこまで変わっていない気が。とは言え、ドロリとしたインダストリアルロックな雰囲気やサビでの爆発感という原曲の特長が忠実にレベルアップされた印象なので、それが悪いこととも思っていないのですが。
1曲飛んで、同じく『MaVERiCK』からのリメイクであるパワーバラード「闇に降る奇跡」も、原曲にほぼ忠実に音をややゴージャスで太めにした感触。因みに、限定盤に収録されている83曲目のシークレットトラックは、この曲の弾き語りライブ音源?(ほぼ観客のコーラスがメイン) ですがサビパート前後のみのため、ちょっと食い足りなさがあるかもしれません。ブックレットの最後に、入場したファンと思しき名前が多数クレジットされているので、予めそういう企画の下集客したのでしょうか。

3曲目「murder freaks」は、2001年のシングル「TERRORS」収録曲のリメイク。オリジナルにはイントロ部分にセリフが入っていましたが、こちらにも前曲からのプリギャップ部分に、大幅にボリュームアップしたセリフパートが収録。その大仰な語り口と猟奇的な歌詞によって逆にコミカルな部分も感じる、冷たいシンセを盛ったアッパーな楽曲になっています。オリジナルは音が薄めだったこともあり、初期メリゴのようなコミカルなサイコホラーな路線なのか、本気でやっているのか判断しかねるところがありましたが、本作のリメイクによって、そのネタ感を真面目に照れなくやっているため、大分説得力が増した印象を受けました。

ラストは新曲その2である「quarter・void」。「BORN」と同路線の、シャウトを交えたラウドでサイバーなアレンジによる攻撃的な楽曲で、パッと聴きのインパクトは「BORN」に譲りますが、サビになると朗々と歌い上げる構成には王道感・安心感を感じます。

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今振り返るともう少しリメイク曲があっても良かったかもとも思いますが、3曲とも堅実なアップデートが聴けるので質的な不満は特になく。
比較的ダークでアグレッシブな楽曲をメインにしながら、メロディアスな「闇に降る奇跡」でアクセントを付けるという構成にした意図も感じるので、結構聴きやすい音源になっている気がします。

BORNBORN
HIZMI D’espairsRay

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通常盤
BORNBORN
HIZUMI D’espairsRay

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