『壁抜け機構(レミングシステム)〜第三幕〜』@池袋手刀 2014/03/28

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3月28日に手刀で行われた、紅蝉・手刀主催イベントに参加してきました。
ちょっと時間経っちゃいましたがレポ的なアレをアレしていきますよ。

カラビンカ
活動再開イベントからひと月開けずでの鑑賞となったカラビンカちゃん。
開演時間間際に入場したのですが、到着直後に一曲目が始まったので本当にギリギリだったようで。
MCはゆるゆるなのに(ボーカル工藤は、この日年度末最後の金曜日であることをやたら気にしていました)楽曲に入ると世界に一気に引き込んでしまう力はやっぱり凄い。イベントトップバッターだからか比較的アッパーな楽曲がメインであったように思いますが、それ故か「赤子、嗤う」のドロドロ具合が際立っていました。

今回も「春を逝く人」で切なく〆る……と思っていたのですが、間髪入れずに「童貞ですこ」へ雪崩れ込む流れが、ミニアルバムの流れを思い出しテンションだだ上がり。
この日は落ち着いて鑑賞するつもりだったのですが、結局前方で盛り上がってしまいました。


紅ノ桜
ボーカル:Jack(THE CANDY SPOOKY THEATER)、ギター:ハルカ(emmuree)のユニットとして結成されましたが、現在はベースにしゃあみん、ドラムにTELLを加えたバンド編成となっています。
3年近く前に1stライブを見ていたのですが、その時とはかなり異なっており、ほぼ別バンドな印象を受けました。1曲目こそワンフレーズを反復させていく形の楽曲でしたが、2曲目以降(前回の印象から相対的に、ですが)ボーカルを前に出したアレンジが続き、おっと思わせられる。何がびっくりって歌メロがちゃんとあることにびっくりですよ。
個人的な印象としては、V系草創期以前というか、ゴシックパンク直系の音作りを行っており、面子含め好きな人には非常にツボを押されるのではないでしょうか。ラスト曲はダンサブルなアレンジだったのにも驚かされ、前回とはまた違った方向で翻弄されました。

セットリスト(参考:物販)
2FACE
新曲
PAIN
DEATH
ABYSS
BABY



地獄絵
2013年にまさかの活動再開をした地獄絵。ベーシストだったドヲルが亡くなっている為、ボーカリスト:レア中心のプロジェクトという形をとっているようですね。
動員こそカラビンカだったのですが、実は今回のイベント参加を決めた最大の理由が地獄絵であり、怖いもの見たさ含めて楽しみにしていました。最近通販が始まったミニアルバム2枚も、物販で無事購入。

幕が上がると、蜘蛛の糸を手繰るようなレアさんのパフォーマンスにまず目を引かれます。今回そこに限らず、舞踏のような感覚も覚えるステージングが終始カッコ良かった。MCらしいMCがなしという点は、今回のイベントにおいて他の出演者とは対照的だったでしょうか。
地獄絵に関しては、解散前に出たミニアルバム1枚とオムニバス収録の1曲だけを聴いている状態だったのですが、それらでの印象だった、ベタッとしたボーカルや打ち込みリズム、重苦しい弦楽器隊による砂利ドゥームなサウンドがそのまま体現されており、変な言い方かもしれませんが安心感を覚えるサウンドでした。って昔書いた音源感想とほぼ一緒だ……。湿った畳の匂いのするゴスと言えば良いのか。

ラストの「錯乱神楽」で、飽きが来ない程度にプチ逆ダイループが展開されていたのにもニヤニヤしてしまいましたよ。本当に観られて良かった。


アネモネ+g.水永達也、b.chiro、dr.セバ、pf.吉岡寿之
普段は男女ツインボーカル+キーボードという布陣だそうですが、今回は所謂バンド編成でのステージ。
女性ボーカル:バニラが歌い上げ、男性ボーカル:やすがリーディング的に入っていくのかな? と序盤は思っていたのですが、やすさんがバニラさん以上の高音でメインをとる楽曲もあったりと、表現の幅は広い印象でした。
全体的に幻想的なムードながらも、歌メロは歌謡曲よりで取っ付き易く、予備知識無しながら引きこまれるものがありました。


紅蝉
他の方の音源レビューやライブレポ等で、こちらも気になっていたバンド。

勝手にドロドロとした音を出すバンドなのかなと予想していたのですが、デジタルな同期も交えながら攻撃的な楽曲がメインで、思ったよりも正統派な印象を受けました。2曲目でいきなりベーシストが楽器を置きシャウトに専念したりと、見せ方でのアクセントも効いていたように思います。実はメジャー志向だったりするのでしょうか。
「チケット売れ行きが不安なので、是非eプラスで。……バンド予約とか甘えた事を言うんじゃない!
など、アンコールMCでは笑いを取りつつ、楽曲ではキッチリ魅せるメリハリをつけていたのも素敵でした。
良い感じにとっ散らかった面子が続いていた今回のイベントですが、主催である彼らが王道要素を持っていることで、最後に芯が通ったものになったのかもしれません。

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5バンドというそれなりの数でしたが、各バンドへの物足りなさはほぼ感じない充実したイベントでした。地獄絵はまた観てみたいですね(SCISSORS GARDENの方も)。

※人によっては今更も今更な話:名前でもしかしたらと思っていたのですが、バニラさんはex-色妄だったことを知りちょっとびっくり。やすさんはYa-fooということを知り更にびっくり。