VELVET EDEN『DOUBLE TWELVE』(2014)

Disc 1
01. Jungfrau Traum
02. Unhappy Birthday
03. Street of Alice2.0
04. 花売り娘
05. Make up Shadow
06. SAD MASK
07. VELVET EDEN
08. MAZE
09. Masquarade Alone
10. 姫薔薇Sacrifice
11. 少女A

Disc 2
01. Unknown Spider
02. One Caress
03. Girl's End
04. La fin
05. Paraph
06. Rouge d'noir
07. Freakshow
08. Duel d'Amour
09. Marionette Waltz
10. Witch on Flames
11. Platonic Blood
12. Confession of Mask
13. Regret

作詞 Disc1-02〜11、Disc2-02〜13:DADA
作曲 Disc1-01、07、10、Disc2-01、09:Chro / Disc1-02、09、11、Disc2-06、08、10〜13:DADA / Disc1-03〜06、Disc2-02〜05、07:Kalm

発売日:2014/02/26
品番:DLVE-001

Members
vocal:DADA
Key、g、prog:Chro



***

2014年にリリースされた、VELVET EDENのアルバム。
復活後の流通音源としては、2010年の『Witch on flames』以来となりましたが、本作はその間にYouTubeにアップされていたデモ音源の完全版や、初期曲のリメイクを含む2枚組の特盛仕様となっています。

楽曲面と関係ない所で気になったのは、誤字や歌詞掲載順のミスなど、ブックレットの誤植が目立つことでしょうか。
このせいで、復活時に作曲を務めていたAci作の曲(「Witch on Flames」「Confession of Mask」)が、こちらではDADA作曲となっているのが、ただのクレジットのミスなのか大人の事情的なアレなのか、微妙に判断しかねるという(苦笑

復活当初はゴシックトランス寄りの音楽性でスタートしましたが、ダークでエグ味ある(褒め言葉)DADAさんの低音ボーカルにエレクトロアレンジの楽曲、という大本の方向性は維持しながら、復活から5年間の変遷を詰め込んだような、思った以上にに幅広くなった印象を受けます(デモ音源に触れた時点で、しばしば驚かされていたのだけれど)。現メンバーのChroはもちろん、DADAさんも作曲を行っているのも関係しているのかもしれません。
DISC1終盤の「Masquarade Alone」、「姫薔薇Sacrifice」、「少女A」の3曲については、勇ましくアップテンポなアレンジと歌謡曲寄りのメロディーが印象的で、初期のユニット時代の印象で聴くと驚かされる(「姫薔薇〜」は、何だかアリプロっぽいタイトル……と思っていたら、本当にそれっぽいアレンジでびっくりした記憶が)。しかしポップなメロディーになればなるほど、DADAさんの声の存在感が増していく気もします。

復活時の楽曲である「Witch on Flames」、「Confession of Mask」も本作でリメイクされており、前者はリズムを強調したリミックス風味のアレンジですが(元々はリミックスバージョンとしてアップされていた音源だった気がするのですが、どうだったかな……)、後者はシンフォニックメタルのような大仰なアレンジに化けており、こちらにも驚かされました。ただ、「Confession〜」については、復活当初、原曲がMyspaceなどにアップされながらCD音源になっていないので、機会があったらオリジナルバージョンの方も、CD音源として聴いてみたいところ(おねだり

Kalm在籍時代の曲については、シンフォニックな色をつけよりゴージャスになった印象の「Street of Alice」や、ほぼ原曲通りのアレンジで丁寧にバージョンアップした「SAD MASK」など、こちらも楽曲によって振れ幅が広がった印象を受けます。Kalmさんについては、復活後に提供した「One Caress」も収録されており、こちらは初期のサウンドを思わせる、ダークで抑揚は控えめながら薄暗い雰囲気に聴き手を引き込むような楽曲。個人的に、新曲で一番ツボに入ったのがこちらだったというのは、やはりこういう所も聴きたいという欲求があったのかもしれません。

総じて、キャリアの集大成のような性格もありながら、まだまだ攻めていくぞという姿勢も感じる作品。
ベスト盤的な入門作として聴くと、量的にお腹いっぱいになる部分もありそうですが、彼らの音楽性なのかを知るにはうってつけと言えるのではないでしょうか。
現在でも、オフィシャルでデモ音源はアップされているので、そちらを先に聴いて判断するのもありかもしれません。


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