asterisk『*1』(2002)

01. 約束の花
02. パラフィン
03. yk*opus07
04. ロミオ
05. yk*opus12
06. Root A
07. カモメの断崖、黒いリムジン
08. 静心

作詞 01:工藤順子 / 02、04:覚和歌子 / 07:鈴木慶一 / 08:伊藤ヨタロウ
全曲作曲・編曲:上野洋子(yk*)

発売日:2002/01/23
品番:TEAF-6

Accordion(01、06)、Recorders(01)、Tin whistle(01)、Synth(01、06、07)、vox(01〜04、06〜08)、Celtic harp(04)、Hurdy-gurdy(04)、Plucked psaltery(04)、Overtoneflute(04)、Boom whackers(04)、Bodhran(04)、Pachinko balls(04)、El Bass(06)、Piano(08):yk*
Drums、Percussions(01、06):仙波清彦
El Bass(01、07)、 Bouzouki(06):渡辺等
Ac guitar(01)、Daxophne(01、07)、Gut guitar(06)、El guitar(06、07):内橋和久
Programming(01、03、06、07):吉野裕司
1st violin(02、05):弦一徹
2nd violin(02、05):武藤宏樹
Viola(02、05、06):高橋直之
Cello(02、05):堀沢正巳
Alto&Tenor saxophones(03)、Baritone saxophone(03、06):矢口博康


***

ソロやユニット活動をはじめ、映画・アニメ作品の音楽も手掛ける上野洋子。本作は彼女のソロプロジェクト「asterisk」が、2002年にリリースした1stアルバムになります。
同日には、上野洋子名義でのアルバム『Puzzle』も発売されました。
公式サイトの説明によれば、「日本語ポップスとインスト」を作るために作られたプロジェクトとのこと。
確かに、「約束の夜」、「ロミオ」のような、民謡色の強いポップナンバーが主体となっており、特に1曲目の「約束の夜」は、上野さんが90年代前半まで在籍していたZABADAKの上野曲から続く要素である、柔らかな多重コーラスを交えた、軽やかな印象のポップナンバーとなっています。

対して、「yk* opus〜」と冠されたトラックでは、アンサンブルとコーラスを主体とした、やや実験的な印象を受けるプログレ風味のインストも配置されるのが特徴(タイトルの数字は作成順なんでしょうか)。
実験的と言っても、変に頭でっかちだったり、敷居が高かったりという印象はなく、寧ろ、アイリッシュ+アラビアン時々ケチャ(!)な、華やかに盛り上がる「yk*opus12」などは、本作の盛り上がりのピークを担っていると言って良いかもしれません。

全体に、管弦楽器・古楽器を主体とした、アコースティックで柔らかいアレンジが主体となっているのですが、鈴木慶一が歌詞提供をした「カモメの断崖、黒いリムジン」は、淡々としたリズムと浮遊感のあるギターによる、徐々に盛り上がる展開ながら、一曲を通して寂寥感が感じられるテクノポップナンバーとなっており、良い意味で異色な空気感があります。

序盤に触れた、『Puzzle』が多重コーラスを前面に出した音作りだったことと、本作の作風とを考えると、確かに名義を分けた意味が見出だせる作品。
本作はインディーズからのリリースですが、上野さんに民謡色の強いポップナンバーを求める人にとっては、メジャーからリリースされた『Puzzle』より、こちらの方が親しみやすく感じられるかもしれません。


試聴あり
*1*1
asterisk

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