…。【サイレンス】『やさしいせなか』(2015)

01. やさしいせなか
02. マヨネーズ
03. 郷愁

全曲作詞:可哀 想
作曲 01:zull、可哀 想 / 02、03:可哀 想
全曲編曲:…。【サイレンス】

発売日:2015/03/10
品番:SKCD005

Members
Vocal & Guitar、Art Direction & Design:可哀想
Guitar:zull
Bass:〜祈〜
Drum:キリ


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2015年にリリースされた、…。【サイレンス】のシングル。バンドは2016年10月に活動停止に入りましたが、これを書いている時点(2016/12/21)で、オフィシャル通販及び一部店舗での購入が可能です(記事末参照)。
帯のタイトル曲表記が、よく見られる背側に納めた方法ではなく、ジャケット裏表側含めた全体に書かれたデザインになっているのがちょっと面白い(最初にケースに付いた状態で見た際は、何かの模様……? などと思っていたのですよ)。

01. やさしいせなか
導入から穏やかに続くメロディーと、サビでの艶のある歌い上げが印象的なミドルポップナンバー。
親子三世代の交流を描いたと思われる歌詞は、ボーカル:可哀想繋がりで言えば、emmureeの「Christmas Eve に生まれた古時計」(『EMMUREE』収録)が、曲調は異なれど想起され、ここ数年はそういう所を描きたいモードなのかなと思わせられたり。
タイトル通り、終始やさしさ・穏やかさが感じられる楽曲ですが、間奏とCメロでの変拍子を多用したパートにて、アクセントを挟んでいるのも面白い。

02. マヨネーズ
ややラフな歌い方と、やけっぱち気味な歌詞による、…。【サイレンス】流のロックンロールナンバーと言えそうな楽曲。タイトルもなかなかですが、この人たちの曲で「ハンバーガー」という言葉が出てきたのは、地味に衝撃かもしれません。
ミニアルバム『DREAMER DREAMER』(2013)収録の「music star」や、前作シングル『Crevice』(2014)カップリング「星に願いを」の路線を更に進めたらこうなる、といった感もありますが、サビに入ると憂いを含んだ優しいメロディーが出てくるのが印象的。
こういう展開や、前述の歌詞における言葉遣いや「神様」の扱い等には、(剽窃とかいう意味ではなく)後期ROUAGE〜STRAY PIG VANGUARDに通じるものを感じます。

03. 郷愁
タイトル通り、切なさ・懐かしさを押し出したメロディーがメインのスローバラード。
色々インパクトがあった「マヨネーズ」の後ろに配されているからか、やや地味な印象もあったのですが、そのほんのり和の要素を感じる歌メロと、バックのノイジーなギターによる浮遊感が徐々に効いてきた楽曲になりました。

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打ち込みを交え薄暗さのあった初期のスタジオ音源から比べ、本格的にバンドサウンド主体になってきた事を感じさせられるシングル。それ故、アレンジ面がやや求める物と違ってきたと思う方もいたかもしれません。
翌年にリリースされた、タイトル曲を含むフルアルバム『psycho:lens』は、本作の傾向を汲んだ開けた印象の曲も、初期のアレンジに回帰した印象の曲もあるため、本シングルは(意図的なのかたまたまなのかは分かりませんが)ある程度方向を絞られて収録されたと捉えると良いかもしれません。

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オフィシャルサイトより
Maxi Single『やさしいせなか』通信販売のお知らせ
Maxi Single「やさしいせなか」店舗販売についてお知らせ