一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2010年09月

Revo「GUNSLINGER GIRL Image Album 『poca felicita』」(2005)

01.La ragazza col fucile 〜少女と銃〜
02.Il fratello 〜『兄妹』に捧げる弦楽四重奏〜
03.Lui si chiama... 〜私の大切な人...彼の名は...〜
04.La principessa del regno del sole 〜無邪気なお姫様〜
05.Biancaneve bruno 〜白雪姫と8人の小人〜
06.Pinocchio 〜殺し屋ピノッキオ〜
07.Claes tranquillo 〜眼鏡と1つの約束〜
08.La principessa del regno della pasta 〜可哀想なお姫様〜
09.Io mi chiamo... 〜貴方だけの義体...私の名は...〜
10.La ragazza 〜『少女』に捧げるピアノ独奏〜
11.La ragazza col fucile e poca felicita 〜少女と銃と小さな幸せ〜

作詞 01、03〜05、07〜09、11:Revo
全曲作曲:Revo
編曲 01〜05、07〜11:Revo/06:Revo & Shingo jake Saito

発売日:2005/12/21
品番:MJCD-20043


***

Sound HorizonのRevoによる、相田裕原作の漫画「GUNSLINGER GIRL 」及びその同名アニメのイメージアルバム。このアルバムが出た2005年は、これより前に「リヴァイアサン 終末を告げし獣」のイメージアルバム、Sound Horizonではアルバム「Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜」をリリースしているので、Revoにとってはかなりの数の曲を出した年となりました。
1、11曲目とインストを除く曲には、アニメで各登場人物を演じた人がメインボーカルを当てており、キャラクターソングが集まったアルバムという見方もできるのではないでしょうか。ただ今作については、リヴァイアサンの方と違い原作に殆ど触れていない為、楽曲中心の感想になるのを予め御了承頂ければと思います。

以下各曲について。


01.La ragazza col fucile 〜少女と銃〜
クラシカルなイントロからバンドサウンドに入り、一気に疾走するロックチューン。ブックレットには日本語が表記されていますが、実際に歌われているのはイタリア語(多分)。この曲と11曲目はJOSEFAというボーカリストが歌っているのですが、オペラティックかつ情熱的に歌い上げる人で、楽曲の空気にバッチリハマっていると思っています。効果的にストリングスが鳴ったり、途中プログレ要素のある間奏が入ったりと、楽器隊も要所要所で主張しており、Sound Horizonの要素を大いに感じます。楽曲としてはこれが一番好きでしょうか。SHのCDやリヴァイアサンのアルバムと同じく、この曲のサビメロが他の曲にもちょこちょこ登場してきますよ。

02.Il fratello 〜『兄妹』に捧げる弦楽四重奏〜
タイトル通り、ストリングスによる憂いを含んだ優美なメロディーが前に出たインスト。ラストの盛り上がり部分では、前曲のサビメロが登場します。

03.Lui si chiama... 〜私の大切な人...彼の名は...〜
ボーカルは南里侑香。アコギをメインに可愛らしい雰囲気で淡々と進行しますが、その中でサラッと「素手で人を殺せるんです♪」とか歌っているのが良い意味で引っかかりを作っていると思います。後半からはちょっと疾走しますが、基本的にはライトな楽曲でしょうか。

04.La principessa del regno del sole 〜無邪気なお姫様〜
ボーカルは三橋加奈子。ストリングスをメインとした、牧歌的で優しいメロディーが映える曲で、ボーカルも可愛らしいのですが(JOSEFA以外のボーカルは大体そんな感じですですが)、妙に無感情に聴こえるのはキャラクターの性格によるものなのでしょうか。作中子供を殺す描写がありますが、その抑揚の少ない声で「ごめんね」→乾いた銃声→何事もなかったかのような優しいメロディー、という展開が穏やか過ぎて逆に怖いというか。間奏のフルートソロも心を落ち着かせます。バックで銃声や爆発音がするのは気にしない方向でw

05.Biancaneve bruno 〜白雪姫と8人の小人〜
ボーカルは仙台エリ。アルバム中最も展開が多いのではないかと思われるポップチューン。穏やかにスタートし、明るくポップに展開、ちょっとシリアスにスピードダウンしたりと、ストーリーに合わせて目まぐるしく進行していきます。ちょっと忙しなくも感じるというか、個々のメロディーをもう少し堪能したい気もしますが、それは自分が原作に触れていないからかもしれません全体としては結構好きな曲。

06.Pinocchio 〜殺し屋ピノッキオ〜
渋いベースから入る、ジャジーなインストナンバー。普通にお洒落なお店で薄くかかっていても違和感無さそうな印象を受けます。サックスソロなんてモロそっち系な気がしますし。

07.Claes tranquillo 〜眼鏡と1つの約束〜
ボーカルは小清水亜美。アコギで刻まれるフレーズが印象的なミディアムナンバー。こうして聴くと穏やかな曲が多いアルバムなんですよね…なんて思っていると段々シリアスな曲調に。ギターソロを含むスパニッシュなメロディーが前に出て来る部分が特に好みでしょうか。

08.La principessa del regno della pasta 〜可哀想なお姫様〜
基本的に、曲中でボーカルをとっている人がナレーションもしているアルバムですが、こちらでは男声ナレーターも参加しています。メインボーカルは寺門仁美。
物悲しいストリングスからスローに展開していきますが、途中からクラシカルなメロディーが映える、やたら可愛らしく明るい展開に。曲中にもう一つのタイトルが読み上げられたりと、入れ子構造にしようという意図を感じます。後半はハードロック調になったかと思えば、一瞬民謡チックな間奏が入ったりと中々忙しい曲であります。個人的に後半に来る、疾走するサビの繰り返しが好み。原作未読の自分にも分かりやすいストーリーで、曲調もSound Horizonの方でやってもおかしくないように思います。

09.Io mi chiamo... 〜貴方だけの義体...私の名は...〜
ボーカルは能登麻美子。曲調自体はクラシカルでポップなのですが、アルバム中最も悲壮感漂うメロディーが前面に出た曲にも思えます。間奏のトランペットソロも何となくうらぶれている感じが。この人のボーカルは儚げというか、フワっとしているのですが、途中いきなり絶叫が聴こえてきてちょっとビビるw アニメの台詞を挿入しているのかな?

10.La ragazza 〜『少女』に捧げるピアノ独奏〜
2曲目同様、例のメロディーがメインになった、ピアノによる物悲しげなインスト。

11.La ragazza col fucile e poca felicita 〜少女と銃と小さな幸せ〜
10曲目の終わりからノンストップで始まる、ストリングスを前面に出した壮大なバラード。こちらも歌詞はイタリア語でしょうか。メインテーマのメロディーを改めてサビにして、オペラティックに歌い上げており、ラストにしてお腹一杯にしてくれる楽曲になっていると思います。間奏のフルートソロも哀愁を感じさせグッドです。

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何度も述べた通り原作に触れていない為、このアルバムを100%楽しめているかどうかはちょっと自信が無いのですが、リヴァイアサン同様、Sound Horizonの雰囲気に通じる所は大きいので、Revoの曲が好きな人は聴いてみても損はないCDなのではないでしょうか。激しさよりもポップな方向を向いている印象があるので、Revoのそちら方面の楽曲が好きな人はより楽しめるかもしれません。
漫画・アニメの方が好きな人は、語りやストーリー性の大きさ等から、やはり一度試聴してから手に取るのをお勧めしますが、原作ファンでアルバム聴いた人のサイトやブログをザッと回ってみたら、高評価な所が多い印象でしたので、変にSound Horizonのイメージが無い方が実は入りやすい…のかも。

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GUNSLINGER GIRL Image Album「Poca felicita」GUNSLINGER GIRL Image Album「Poca felicita」
イメージ・アルバム JOSEFA 南里侑香 三橋加奈子 仙台エリ 小清水亜美 寺門仁美 能登麻美子

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オフィシャルサイト(試聴あり)

Revo「リヴァイアサン 終末を告げし獣」(2005)

オープニングテーマ:
01.March After Millennium
エピソード1:終末を告げし獣
02.辺境からの生還者
エピソード2:ハルトゼーカーの小人
03.少女曰く天使
04.メルトキアの女王
エピソード3:闇の紳士録
05.召喚という儀式
06.死刑執行
エピソード4:なくしもの
07.ブードゥーの心臓
エピソード5:DayDream
08.さつきの箱庭
09.砂の城
エンディングテーマ:
10.The Beast of the Endness

全曲作曲・編曲:Revo

発売日:2005/03/02
品番:ABCA-5061


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Sound Horizonで活動しているRevoが楽曲制作を手がけた、漫画「リヴァイアサン 終末を告げし獣(原作:大塚英志、作画:衣谷遊)」のイメージアルバム。参加メンバーとして、当時Sound HorizonのボーカリストだったAramaryや、Sound Horizonの方にもゲストとして参加しているRIKKI(ボーカル)、若本規夫(ナレーション)、斎藤"Jake"慎吾(ギター)、坂上領(フルート)らが名を連ねています。その所為もあってか、Sound Horizonと全く一緒ではないものの、引きの強いメロディーや展開の多さ、要所要所で入れられる語りなど、Revoの曲が好きならば惹かれるものが多いアルバムになっていると思います。
ただ、漫画の方を全く知らないという人は、本作はあくまで原作付きのイメージアルバムという事を念頭におく必要はあるかもしれません。実は自分も、結構前に途中まで読んだきりだったり…。

以下各曲について。


01.March After Millennium
民謡チックなアコーディオンとフルートのメロディーから、一気に盛り上がる楽曲。行進するような軽快なリズムとクサいメロディーが映える曲になっています。後半はアルバム全体を通して登場するフレーズがコーラスと共に表れ、一層盛り上がりを見せます。これがまた印象的。そのコーラスを担当しているおおたか静流の声、最初日本人だと思わなかったなあ。

02.辺境からの生還者
若本規夫の渋い語りとバグパイプ? の音色からスタートする楽曲。メインボーカルはRIKKI。
穏やかに展開したり、急に疾走したり、デジロック調になったりと結構忙しい曲ですが(疾走中にこっそり拍子が変わっていたり)、Sound Horizon聴いている人には寧ろ丁度良いかもしれません。歌詞を見る限り、原作のかなり序盤のストーリーみたいですね。

03.少女曰く天使
こちらもボーカルはRIKKI。切ないメロディーが前に出たミディアムナンバー。今聴くと、2期のSHっぽい曲調にも思えて面白い。個人的に、ダークなパイプオルガンの間奏からギターソロを経てからの大サビのメロディーが切なさ爆発で目茶苦茶ツボです。

04.メルトキアの女王
再びアコーディオンと笛のメロディーが映える民族音楽寄りのインスト。陽気さと妖しさが一体となった雰囲気を感じます。民謡ポップ好きにはたまらない楽曲なのではないでしょうか。

05.召喚という儀式
ボーカルはAramary。ピアノとバイオリンを中心に、レトロでお洒落な雰囲気で軽快に進行しますが、後半は切ないバラードへ。歌詞も原作のストーリーを濃く反映したものになっていますが、会話部分の歌メロの一部がちょっと詰め込み気味にも感じます。

06.死刑執行
疾走感のあるイントロのまま勢い良く進行するデジロック。もうちょっとギターが喧しくても良いかな? とは思いますが、キラキラしたシンセやストリングスのスリリングなメロディーがツボなので概ね好み。こちらにもAramaryがコーラス・一部ボーカルで参加していますが、メインで歌っているのはHawk Spencer(円道一成)。しゃがれた良い声をしています。後半ボーカルを途中で切ったり反復したりしてスピード感を出す演出が面白い。

07.ブードゥーの心臓
パーカッションを中心としたちょっとアンビエントっぽい序盤から、一気に冷たい印象のコーラス音に包み込まれ、文字通り体温を下げられるような感触の曲。展開自体は後半になるにつれどんどん盛り上がっていきますが。不穏なSEと相まって、ジャングルの中を追われているような気分にも。

08.さつきの箱庭
ボーカルはGeila Zilkha。ピアノを前面に出した切ないバラードになっており、歌詞を除けばRevoの中でも割と普通のポップス寄りな気がします。サビのメロディーが特に切なく印象的。これはさつきが幽体離脱する話だったかな…?

09.砂の城
引き続きボーカルはGeila Zilkha。こちらも前半はスローバラードですが、途中からテンポアップしサイバーな雰囲気に。個人的に前後の曲と比べると、ちょっとインパクトは薄かったかもしれません。終盤には次曲のメロディーが登場しエンディングへ。

10.The Beast of the Endness
ボーカルはおおたか静流。風の音とピアノによる重々しいイントロから始まる壮大なバラードになっています。途中ストリングスが入ってからの盛り上がりがたまりません。
サビでは1曲目にも登場したメロディーが大々的に使われていますが、この部分、感情的になるのをギリギリで抑えているような、揺れのある(?)歌い方をしている印象があり、大体こういう曲はオペラティックに歌い上げる人があてられる気がするので(勿論それも好きですが)、その点でも聴いていて面白かった記憶が。

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メロディーのインパクトではSound Horizonのオリジナルには譲るかな? とも思いますが(あくまでSHと比較して、ですけれど)、アルバムのテーマとなるメロディーを曲を跨いで配置するなど、Sound Horizonでもある手法も用いられているので、Revoの作る曲が好きな人なら割と楽しめるアルバムになっているのではないでしょうか。勿論理想は漫画の方を読んでから、でしょうけどね。
漫画の方からこのアルバムに興味を持った人は、曲中にナレーションやSEが結構な頻度で入ってくるので、一度オフィシャルサイト等で試聴をしてみてから、手に取るか考えてみるのをお勧めします。
…一回読み直さなきゃなあw

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Amazon(試聴あり)
リヴァイアサン 終末を告げし獣リヴァイアサン 終末を告げし獣
イメージ・アルバム おおたか静流 RIKKI Aramary ギラ・ジルカ Hawk Spencer

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Revoオフィシャルサイト(試聴あり)

ROUAGE「ROUAGE」(1994)

01.シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ
02.Function
03.めざめのうたげ
04.Cry for the moon
05.Mist of Tears
06.hide and seek
07.ark
08.Pa・ra・no・i・a
09.More Trance
10.Creation -審判-

作詞 02〜10:KAZUSHI
作曲 01:Mr.SASAKI/02〜10:ROUAGE

品番:RLCD-002-3


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ROUAGEがインディーズで発表した1stフルアルバム。3rdプレスまであり、それぞれジャケットが異なっていました。確か1stプレスがメンバー全員の写真、2ndがKAZUSHIが一人で写っているもの、3rdが赤を基調としたバックにバンドロゴが載っているもの(自分の手元にあるのはこれ)だったかな? 後にメジャーでリメイクされた曲もあり、当時のベストアルバム的なCDだったのかもしれません。
また、ブックレットの記載では作曲が1曲目以外全てバンド名義になっていますが、前に出たシングルや後に採録されたCDではメンバー個人名義になっているものが多いので、一応そちらも各曲コメントの方に付け加えておきます。


01.シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ
インダストリアル的な打ち込みリズムと浮遊感のある音で構成されたインスト。歌詞として「シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ」と1行だけ記されていますが、実際に曲終わりで呟かれる言葉は…

02.Function
RIKA作曲。イントロからいきなりドラムとシンセによるドドドッと攻撃的に攻めて来るフレーズが印象的。所謂勢いで押す暴れ曲といった印象を受けますが、ボーカルが終始低く呟くように歌っているため、激しさと同時に閉塞感も感じます。
メジャーでもシングル「冷たい太陽」のカップリング曲として再録されますが、そちらは尺がかなり短くなっています。

03.めざめのうたげ
RAYZI作曲。こちらもダークで攻撃的な楽曲。改めてこういうドラムがツタツタ言う曲を聴くとニヤニヤしてしまいますwああヴィジュアル系聴いてるなあと。サビでもツタツタしたまま疾走しますが、盛り上げるように歌い上げずに、低音で這い回るように歌っているのが面白い。まあこのアルバムのKAZUSHIの歌い方は大体そんな感じなのですが。

04.Cry for the moon
KAZUSHI作曲。メジャー感を感じる開けたサビから始まる、ネガティブな歌詞をキャッチーなメロに乗せて全力で届ける(笑)ポップチューンになっており、初聴時のインパクトを大きく残す曲なのではないでしょうか。間奏後のサビで一度音数を減らし、そこから一気に盛り上げるあたり王道ですが、だからこそツボなのです。この曲も後に「冷たい太陽」のカップリングとして再録されます。

05.Mist of Tears
KAIKI作曲。物悲しいメロディーが乗ったバラード。薄く鳴るシンセが幻想的な雰囲気を出すのに一役買っていると思います。この後に出たシングル「理想郷」で再録されました。

06.hide and seek
SHONO作曲。軽めながら鋭いギターのフレーズが印象的な、アップテンポナンバー。サビ前でボソボソ言う台詞パートが地味に好きだったり。こちらもサビではメロディアスに展開しますが、キャッチーながらも微妙にドロリとした雰囲気を感じるのは、やっぱりボーカルの声が低いからでしょうか。

07.ark
後にファンクラブの名前としても使われる曲ですが、アルバム中最も暗いのではないかと思わせる、沈んだトーンで展開するスローテンポの楽曲になっています。歌詞もほぼ同じフレーズの繰り返しになっているため、ちょっと楽曲としては印象が薄くなってしまうかもしれません(ベースは結構動きまわってますが)。
個人的にはちょっと前に感想を書いたオムニバス「emergency express 1995」に入っている、「too late」と改題したリミックス版の方が好みだったりします。

08.Pa・ra・no・i・a
RIKA作曲。こっちの方が暴れ曲でした。要所要所で耳に優しくない音を出すギターや、ヒステリックなボーカルにダークで不安定な雰囲気を感じます。後のメジャー再録バージョン(シングル「insomnia」カップリング)よりは流石に粗っぽいですが、こちらはこちらで好み。何度か聴いていると「equal Jesus」の繰り返しがクセになってきます。

09.More Trance
SHONO作曲。シングル「SILK」収録曲の再録バージョン。大きな変更はありませんが、シンセが追加されており、ドラムも若干前に出ているかな? 

10.Creation -審判-
RAYZI作曲。こちらも「SILK」収録ですが、シングルには記載されていなかった歌詞が、こちらではちゃんと載っています。シングル版との大きな違いとしては、イントロのテープを逆回転させたような音がカットされており、こちらもシンセが目立っています。こちらで聴いてもやはり暗い曲ですが、意外と聴き終わった後マッタリした印象が無いのは、何気にテンポが早いからでしょうか。ただ、人によっては曲終わりの語りで力が抜ける恐れが…w いや良いんですよ! ヴィジュアルバンドなんですからこれ位やってくれなきゃ!(いや本当に)

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音質に関しては当時のインディーズ、といった感じですし(そこまで酷くはないと思うけど)、後にメジャーから音を聴きやすく整理したリミックスベスト「312604806」が出ているので(収録曲も大体一緒)、インディーズ時代のROUAGEを聴きたい人はそちらを最初に手に取った方が良いかもしれません。ただこちらの方もシンプルでダークな雰囲気を基調としながら、ハード・スロー・メロディアスな曲の並びが上手いと思いますし、音質面も含めて当時のROUAGE、もしくはヴィジュアル系バンドを聴いてみたいという人にはお勧めできるアルバムかもしれません。
しかしこういうバンドが6年後には、毎年夏が来ると頭の中で流れる「肌色。」のような曲を作るのですからバンドというのは面白い。

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ROUAGE

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ROUAGE「SILK」(1994)

01.Creation -審判-
02.Silk
03.More Trance

作詞 02、03:KAZUSHI
作曲 02:RAYZI/03:SHONO

品番:RSCD-001


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90年代中盤から2000年にかけて活動していたバンド「ROUAGE」がインディーズ初期にリリースしたシングル。恐らくこれが1stシングルで合っている筈。プレス時期によって、ジャケットの色が異なるようで、私が持ってるのは緑色のものになります。
後追いで知った自分も大好きなバンドで、キャリアと共に段々と曲の方向を変えていきましたが、この時点ではLUNA SEA等の先達の臭いプンプンの、シンプルでダーク、メロディアスといった所謂ヴィジュアル系ど真ん中のサウンドを聴かせています。当時のメンバーは、ボーカル:KAZUSHI、ギター:RAYZI、ギター:RIKA、ベース:KAIKI、ドラム:SHONOでした。

以下各曲について。


01.Creation -審判-
タイトルも歌詞も記載されていない、恐らくシークレットトラック扱いな曲。後にアルバム「ROUAGE」で再録されました。
スローな3拍子のリズムにドロドロとしたギターのメロディーが不気味な楽曲になっており、サビではボーカルが「ラララ…」と繰り返すのみとなっていますが、この時期のKAZUSHIは後に比べると声が低く、そのサビの部分なんか今にも死にそうな調子で歌っているので余計に不気味に聴こえるというw

02.Silk
クリーンなギターとスピード感のあるテンポで展開する、メロディアスな楽曲。それこそLUNA SEAのシングルタイトル曲を思い浮かべてもらうのが手っ取り早いでしょうか。後のメジャーのシングル曲にも通じる部分があり、結構好みですね。90年代の臭いが濃いので、その時期のヴィジュアル系バンドが好きだった人には、反応する所があるのではないでしょうか。またこの曲は本シングルのみの収録となっています。

03.More Trance
前曲から間髪を入れずに、ドラムソロからスタートするアップテンポでダークな雰囲気の楽曲。こちらもアルバムで再録されますが、シンセが入っていない分、シングル版の方がシンプルに感じます。その替り、かどうか分かりませんが、アルバムには無いバックコーラスがサビに入っています。攻撃的な曲ですが、ボーカルの高音が上がりきらないからか、良い意味で気持ち悪さも備えた楽曲になっている気がします。

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メジャーのから出た曲を一通り聴いた後に手を出したシングルでしたが、思ったよりは音がショボくなくて安心した記憶がありますw(あくまで当時のインディーズとしては、ですけれど) インディーズ時代の、しかも8cmシングルなので他のCDと比べちょっと手に入れにくいかもしれませんが、当時のバンドの色が分かりやすい曲が入っていると思うので、他のインディーズ期のCDが気に入ったら、安く手にいれてみるのも良いかもしれません。

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シルクシルク
ROUAGE

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