光田康典「Sailing to the World」(2002)

01.The Door
02.Sailing to the World
03.Melody of Aqua
04.Rhythm of Red
05.Path to Enlightenment
06.Confrontation
07.Melody-go-Round
08.Point of No Return
09.Hope
10.Reincarnation

全曲作曲:Yasunori Mitsuda
編曲 01、03〜09:Yasunori Mitsuda/02、10:Tomohiko Kira
Coined Words・コーラスアレンジ 02、10:Koko Komine

発売日:2002/12/25
品番:SBPS-0003


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「クロノ・トリガー」等のゲーム音楽で有名な光田康典が、台湾発のゲーム「The Seventh Seal 〜第七封印〜」に提供した楽曲を集めたアルバム。…なのですが、自分はゲームの方を未プレイなので、あくまで曲単位の感想になるのを御了承下さい。というかこのゲーム、日本では未発売だった気が…。

以下各曲について。


01.The Door
壮大に展開しながらも、どこかドロリとした不穏な空気を感じる重厚な楽曲。後半からのオーケストラ音とチェンバロによる盛り上がりが素敵です。

02.Sailing to the World
この曲と10曲目は造語によるボーカル曲。そのせいもあってか、懐かしさもありながら無国籍的な色も持ったバラードになっています。そのボーカルに小峰公子、ギターとアレンジにZABADAKの吉良知彦が参加している事もあってか、改めて聴くと非常にザバダック臭さを感じます。要所要所に入るバイオリンの音色もツボ。ゲームでどういう使われ方をしたかは分かりませんが、何となくオープニングテーマっぽい印象を受けました。

03.Melody of Aqua
沈んだ雰囲気のサウンドの中に、笛やバイオリンの音が絡むスローテンポの楽曲。

04.Rhythm of Red
軽快なパーカッションとアコギが心地良い、スパニッシュ寄りのナンバー。その中にも東洋的なメロディーを感じるのが面白いです。

05.Path to Enlightenment
アラビアンな印象のメロディーが前面に出た、ちょっと怪し気な雰囲気の楽曲。薄暗いダンジョン辺りでかかっていそうな気が…。

06.Confrontation
戦闘BGMかな? と思わせる、勇ましいオーケストラによって盛り上げる壮大な楽曲。勢いだけではなく、少し物悲しいメロディーも入ってるのが好みです。すぐ終わってしまうのが寂しいですが、BGMですし仕方ないでしょうか。

07.Melody-go-Round
「Sailing to the World」のインストアレンジ版、と言えば良いでしょうか。ボーカルのメロディーを笛の音にし、フワっとしたシンセが全体に入り、全体に明るめなアレンジになっています。

08.Point of No Return
ダークでクラシカルなメロディーのパイプオルガンから始まりますが、すぐに壮大に展開する、個人的にアルバム後半のキモかもしれない楽曲。決してテンポは早くないのですが、焦らされるような音の運びやクサい笛のフレーズが好み。この曲にもコーラスが入ってるのですが、クレジットに無いということは打ち込みで作っているのかな?

09.Hope
ピアノとシンセによる、優しいメロディーが前に出た穏やかな楽曲。実質次曲のインストアレンジ版ですね。

10.Reincarnation
2曲目に続いて、吉良・小峰コンビが参加しているボーカル曲。前曲とメインのメロディーは一緒ですが、小峰公子の多重ボーカルが優しくも力強く聴こえてきます。こちらの方がメロディーに哀愁を感じるアレンジに感じますね。例によって想像ですが、これがスタッフロールで流れたら、高確率で涙腺を破壊される自信はありますw
この曲と「Sailing to the World」は、2009年に出たボーカルベスト「Colours of Light」にも収録されました。

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実は購入当時あまり印象が強くなく、数回聴いてそのままになっていたCDだったのですが、年数が経って自分の好みが少し変わったのか、今回改めて聴いてみたらツボを突くメロディーが非常に多かったというw 今の所光田康典のCDは今作を除くと「クロノ・トリガー」のサントラしか持っていないのですが、これを気に他のアルバムにも手を出してみようかな…と。
10曲で36分と、サントラとしてみると正直ボリュームは少な目ですが、インスト・ボーカル曲問わず民謡色・クラシカルな要素を持ったメロディーが前に出ており、聴きごたえはあるアルバムだと思っています。興味はあるけど、いきなり何枚もあるサントラはちょっと…という人には、値段も安いですしお薦めできるかもしれません。

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