SOUL FLOWER UNION「WINDS FAIRGROUND」(1999)

01.風の市 Featuring Altan
02.忘れられた男 Featuring KILA
03.ロンドン・デリー
04.ホライズン・マーチ
05.イデアのアンブレラ
06.イーチ・リトル・シング Featuring Altan
07.戦火のかなた
08.ヤポネシアの赤い空
09.恋のパールハーバー
10.マージナル・サーフ
11.ブルー・マンデー・パレード
12.太陽に灼かれて
13.青天井のクラウン

※03:Julien Clerc「London derry」日本語カバー/06:Sharon Shannon「Each Little Thing」日本語カバー

作詞 01、02、04、05、07、08、11、13:Nakagawa Takashi/03:Etienne Roda-Gil(日本語詩:Takeda Ken-ichi)/04、06、09、12:Itami Hideko、Nakagawa Takashi
作曲 01、04、05、07、08、11:Nakagawa Takashi/02、10:Okuno Shinya、Nakagawa Takashi/03:Julien Clerg/06:Steve Cooney/09、12:Itami Hideko、Nakagawa Takashi/13:Kawanabe Hiroshi、Nakagawa Takashi

発売日:1999/02/20
品番:KASC2 268

Members
Vocal、Guitar、三線、Mandolin:中川敬
Guitar、チャンゴ、Chorus、御囃子:伊丹英子
Keybords、Chorus:奥野真哉
Bass、Chorus:河村博司


***

NEWEST MODELとMESCALINE DRIVEが合体する形で結成された「SOUL FLOWER UNION」の、4枚目のオリジナルアルバム。個人的にリアルタイムで彼らを知ったのが、このアルバムがリリースされた時期でしたが、タイトル曲の「風の市」や、当時みんなのうたに使われていた「青天井のクラウン」等の民謡でありロックでありといった曲調に衝撃を受けた覚えがあります。歌詞面では、本作に限らずボーカルの中川敬の思想が色濃く出ており、その辺の臭みが好みを分けそうですが(私自身10代の頃は、今で言うネト○ヨ的な方向にかぶれていたので、ちょっと受け付けられなかった時期も;)、特にそこに踏み込まずとも、色々な音楽要素をチャンポンした楽曲は聴いていて面白いと思いますよ。

本作は、アイリッシュミュージック界のベテランであるDonal Lunnyが共同プロデュースを含め制作に参加したり、同じくアイリッシュバンドのaltanとKilaがゲストに参加しており、アイリッシュ+日本的なメロディーが融合したような曲が多くなっています。冒頭で述べた「風の市」などは、フィドルやアコーディオンを使ったサウンドに、三線や陽気な合いの手が入りまくる、自然に体が動き出しそうなインパクトを持った曲ですし、カバー曲である「イーチ・リトル・シング」は、何も知らなければ日本の民謡のアレンジと思えてしまいそうな、しんみりとした哀愁バラードだったりと、その混ざり方が自然に耳に入ってくるのは実は凄いことなんだろうなぁと。
また、個人的にタイトル曲と並んでツボなのが、陽気で賑やかなチンドンマーチ「ホライズン・マーチ」と、オリエンタルな雰囲気のインスト「マージナル・サーフ」(後半の加速が素敵)からの「ブルー・マンデー・パレード」。特に後者は、やはり陽気なマーチングサウンドに中川氏のガラガラしたボーカルが乗った、リーマン二日酔い讃歌になっており、中盤からの転調の連続でシリアスになっていく展開が、人によってはヤケクソへの境地に至りそうな1曲になっている気がします。取りあえずカンパーイ!

各々の前身バンド含め、現時点で彼らの音源を全て聴けているわけではありませんが、アルバム全体の聴きやすさ・親しみやすさは上位に来るのではないかと(同年、インディーズになって出したライブアルバム「HIGH TIDE AND MOONLIGHT BASH」も、ベスト盤チックで入りやすかったりします)。
アイリッシュ、日本民謡要素のクサさのあるバンドが好きな人には、何処かしら突いてくる部分があるアルバムなのではないでしょうか。

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