V.A.「THE BEST OF reveil [un]」(1999)

01.MASCHERA / MEMORIES
02.MASCHERA / FLASH BACK
03.BLUE / Moon Stone
04.BLUE / escape
05.TRANSTIC NERVE / White Feather
06.ILLUMINA / 悲しい理由
07.DEVELOP=FRAME / TRANCE TRAP
08.Lastier / キミノ嘘
09.NOIE◇LOZE / SEXISM
10.STELLA MARIA / Nostargia

発売日:1999/02/24
品番:TECN-28485

※備考
01〜04:「THE END OF THE CENTURY ROCKERS 1」(1996)より
05〜10:「THE END OF THE CENTURY ROCKERS 4」(1997)より
また01〜04、10が「THE END OF THE CENTURY ROCKERS COLLECTION 1」(1998)に、02、03、05〜07が「彩-IRODORI-」(2001)にも収録。


***

1996年から1997年にかけてテイチクからリリースされた、インディーズのヴィジュアル系バンドの楽曲を収録したオムニバス「THE END OF THE CENTURY ROCKERS」シリーズ。1から4まで出ていましたが、1999年にその4枚からいくつかのバンドをセレクトしたベスト盤的? なアルバムがリリースされました。[un]と[deux]の2枚がリリースされましたが、こちらでは[un]の方を紹介します。[deux]の記事はこちら。後にメジャーデビューしたバンドも多く、90年代のV系を聴いていた人にとっては、結構豪華な面子が揃っているのではないのでしょうか。

以下各曲について。


01.MASCHERA / MEMORIES
作詞:MICHI/作曲:TAKUYA/編曲:MASCHERA

浮遊感もありながら、抑えめな雰囲気のミドルテンポの楽曲。MICHIはこの時点で艶のある特徴的なボーカルを聴かせています。

02.MASCHERA / FLASH BACK
作詞:MICHI/作曲:TAKUYA/編曲:MASCHERA

こちらはシンプルですが、エフェクトがかかったボーカルにちょっとサイバーな空気も感じる、ヴィジュアル系王道寄りのアップテンポな楽曲になっています。今作に入っているマスケラの曲はあまり強い印象が無いのですが、元々インディーズ時代のMASCHERAは、そんなに好きも嫌いもなく、なので…まぁ、こんな感想で(苦笑)。

03.BLUE / Moon Stone
作詞・作曲:SHIGE/編曲:BLUE

後にボーカルがARIHITOに変わりますが、この2曲はボーカルにSHIGE、キーボードにTETSUが在籍していた時の曲ですね。シンセを上手く使ったメロディアスでポップな曲になっていますが、初めて聴いた時は、バンドの音も思ったより前に出ていると思った覚えがあります。ギターソロも入っていますし。SHIGEの声はARIHITOの細い高音ボーカルに比べ、しっかりと歌い上げるスタイルで、こちらもハマっていると思います。

04.BLUE / escape
作詞:SHIGE/作曲:SAKI/編曲;BLUE

こちらもシンセが効果的に使われている、ちょっと妖しげな雰囲気もあるポップチューンになっています。SHIGEとTETSUはBlueの両名は、D≒SIREを経てENDLESSというユニットを結成。SHIGEはKαinにも参加していますね。またドラムのHAYATOは現在Moi dix Moisに在籍しています。

05.TRANSTIC NERVE / White Feather
作詞:TAKA/作曲:TRANSTIC NERVE/編曲:TRANSTIC NERVE

2008年に名前をTHE UNDERNEATHに変え、気付けば結構なキャリアを持っているバンド。かなり初期の音源ですが、この時点でメジャー感を持つ、キャッチーなヴィジュアルロックをやっています。こちらもBlueのようにシンセが上手く使われている印象が。メジャー初期のFANATIC◇CRISISを先取りした曲調にも思えます。THE UNDERNEATHのヘヴィな音とはまた違いますが、こちらはこちらでツボですね。
そう言えばついこの間解散が発表され、ラストシングルがリリースされましたが、それから間髪入れずにギターのTAL以外のメンバーによって新バンド「defspiral」結成のニュースが…えーと、実質的にバンド名変更・後身バンドという受け取り方で良いんですよね?w

06.ILLUMINA / 悲しい理由
作詞・作曲:Nao/編曲:ILLUMINA

メロディーにちょっと歌謡曲的なクサさを感じるポップロック。ボーカル・ギターのNaoは、現在元MASCHERAのMICHIとS.Q.Fで活動しています。

07.DEVELOP=FRAME / TRANCE TRAP
作詞・作曲・編曲:鳴瀬 Shuhei NARUSE

おお、ダンサブルなバンドが。個人的にSOFT BALLETを彷彿とさせる、シンセとギターが絡むダンスポップチューンになっています。自分はどうしてもこういうのに反応してしまいますねw ボーカルもライトですが適度に艶があって楽曲には合っているのではないでしょうか。この後ボーカルが替わってデジロック方面に進んだようですが、そちらも気になります。
そう言えば作曲・キーボードの鳴瀬シュウヘイも一時期S.Q.Fに居たなあ、と思って調べてみたら、今は仮面ライダー関連の曲を大量に提供しているんですね。TourbillonやAAAにも提供してますし、ちょっとびっくり。

08.Lastier / キミノ嘘
作詞:石山竜一/作曲:Kyoichi/編曲:Lastier

こちらも後にメジャーデビューしたので、名前を知っている人は多そうなバンド。いかにも90年代V系! といった趣の、ちょっと耽美でメロディアスな楽曲になっています。あまりちゃんと曲を聴いたことの無いバンドだったりしますが、当時のヴィジュアル系バンドが好きな人の琴線に触れそうな曲ではないでしょうか。

09.NOIE◇LOZE / SEXISM
作詞:MARSHI/作曲:KAZUHITO/編曲:NOIE◇LOZE

他のバンドに比べると激しい曲調ですが、一部のギター音やBメロが初期BUCK-TICKにありそうとか思ったり。特にどの曲に似ているという事ではないのですが…。メジャー臭の強いオムニバス(実際メジャーデビューしたバンドばかりなんだけど)の中で、ある意味一番インディーっぽいバンドかもしれません。

10.STELLA MARIA / Nostargia
作詞:RAY/作曲:#4/編曲:STELLA MARIA

今はKISAKIが在籍していたと言う事で名前を聞く事の方が多い気もするバンド。シンセ・プログラミング担当のメンバーがいる為か、浮遊感のあるシンセが上手く使われた、幻想的なスローテンポの楽曲になっています。ちょっとボーカルが細い気がしますが、概ね好み。一時期ちょっと気になりCDを集めたりしていました。

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既発オムニバスからの選曲と言うことで、楽曲の使い回し感はありますが(この前後にも、このシリーズ収録曲をメインにした、テイチクからリリースのあったV系バンドの曲を集めたオムニが出たりしていますし)、後のメジャーどころが集まっているので、結構面白く聞ける人は多い気がします。このシリーズ、各バンドの知名度の割にブックオフでも安く見かけるので、興味のある人は聴いてみてはいかがでしょうか。

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