一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

タグ:MoidixMois

Moi dix Mois「Reprise」(2012)

01. En Lumiere [SE]
02. Dialogue Symphonie
03. front et baiser
04. Solitude
05. the Prophet
06. Invite to Immorality [SE]
07. Nocturnal Romance
08. Vestige
09. La dix croix
10. Secret longing [SE]
11. Pageant
12. Je l'aime

※オリジナル版収録音源
02:1stシングル「Dialogue Symphonie」(2002)、1stアルバム「Dix infernal」(2003)
03、04、09:「Dix infernal」(2003)
05〜08:2ndアルバム「NOCTURNAL OPERA」(2004)
10、11:3rdシングル「Pageant」

作詞 01〜05、07〜09、11、12:Mana
全曲作曲・編曲:Mana

発売日:2012/07/12
品番:MGCD-001

Members
Guitar:Mana
Vocal:Seth
Guitar&Voice:K
Bass:Sugiya
Drums:Hayato


***

2012年に活動10周年を迎えたMoi dix Moisが、その記念にリリースした再録ベストアルバム。
前任ボーカリスト:Jukaら在籍時の楽曲をメインに事前にリクエストを募り、人気の高かった楽曲を現プロジェクトメンバーでリメイクしています。

これまでにも、初期曲の再録をシングル・オリジナルアルバムでしばしば行なっており、その時には新たなコーラスパート・キー変更といったオリジナルとは違った面も見せて来ましたが、本作でのリメイクは基本的にオリジナルの構成に忠実にアレンジしつつ、全体に各楽器の音の迫力を伝わりやすくしてきた印象です(「front et baiser」冒頭にCメロのボーカルパートを持ってきたりはしてますが)。私自身はそこまで気にしていないのですが、1stアルバムでドラムの軽さが気になったという人にとっては、特に嬉しい再録ではないでしょうか。
JukaとSethは、前者が比較的甘さを含み、後者が攻撃的な面に強いイメージがありますが、基本的に同系統の低音でオペラティックに歌い上げるボーカリストなので、(好みの範囲内で色々あるでしょうが)今回もその辺は危なげないなぁと。
人気上位曲を集めただけあってか、ギターにオルガン・チェンバロが絡む、攻撃的且つ耽美でクラシカルなメロディーを併せ持つ楽曲が並んでおり、10年間における作曲姿勢がブレていないのが分かります。当時は金太郎飴状態な印象だった1stアルバムの楽曲も、本作の流れに組み込まれることでその魅力を再認識させられたり。

ラストに配置された新曲「Je l'aime」は、その10年間の集大成とも言えるような、ザクザクとギターを刻み疾走するダークな面と、サビを中心にゆったりと歌い上げる白い面を併せ持つ、プログレ的な色も感じる楽曲になっています。イントロでスローバラードと思わせる展開、また前曲がMdMの中でもポップに振り切っている「Pageant」だったこともあり、割りとまったり〆るかとも思っていたので、最初に聴いた時は結構驚きましたね。タイトルや歌詞も、それまでのManaのキャリアの中でも、(それこそマリス時代を含めて)かなり直接的な言葉を乗せてきたと受け取れる内容となっており、ファンへの感謝メッセージ色が強そうです。

SE除いて実質9曲という事もあり(1曲目「En Lumiere」は「Dialogue〜」のイントロをベースにしたインスト)ベスト盤にしてはボリュームがちょっと控えめでしょうか。制作の趣旨や前述の「Je l'aime」からも、それまで聴いてきたファン向けの部分もあるでしょうし。
楽曲の幅広さという意味での入門盤は、この前のアルバム「D+SECT」の方がお勧めかもしれませんが、1stアルバムの前に本作を聴くと、よりその魅力が伝わりやすくなるんじゃないかなとも思っています。やっぱりこの人のメロディー好みなんだよなぁ。


RepriseReprise
Moi dix Mois

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Moi dix Mois「D+SECT」(2010)

01.In Paradisum
02.The Seventh Veil
03.Witchcraft
04.The SECT
05.Divine Place
06.Pendulum
07.The Pact of Silence
08.Ange 〜D side holy wings〜
09.Agnus Dei
10.Sanctum Regnum
11.Dead Scape
12.Dies Irae
13.Baptisma

作詞 02〜06、07〜12:Mana
全曲作曲・編曲:Mana

発売日:2010/12/15
品番:MMCD-047


***

活動休止中のMALICE MIZERのリーダー:Manaを中心としたプロジェクト、「Moi dix Mois」の5thアルバム。前作「DIXANADU」が2007年3月リリースだったので結構間が空きましたが、バンドメンバーは前作の布陣がそのまま続投しています。

以下各曲について。


01.In Paradisum
パイプオルガンとコーラス+ナレーションによる、荘厳な雰囲気を持った1分弱程の楽曲。

02.The Seventh Veil
ホーン音によるオープニングから一気にバンドサウンドに雪崩れ込む、攻撃的な疾走曲。押せ押せのギターとコーラスやクラシカルなチェンバロとの絡みを聴くと、自分がヴィジュアル系に求めている一要素を思いっきりぶつけられた気がしてたまりません。勿論サビでは一気にクサくに展開するのもツボですし、久々な新作の実質的な一曲目にして、掴みは完璧にしてきた印象ですね。

03.Witchcraft
トランス・サイバー寄りのデジタル音が要所要所で使われている事や、ギターの音がモダンっぽい(?)事に最初ちょっと意外な印象が。そんな要素もいれながらも、全体的にはクラシカル要素の強いアップテンポな楽曲になっています。サビに入ると、少し穏やかでポップな印象のメロディーになるのも面白い。終盤転調して更に明るくなりますが、全体的に見るとやはり攻撃的な印象が残る曲でしょうか。

04.The SECT
朗々と歌うSethのボーカルを導入として、段階的に盛り上がっていくシンフォニックチューン。ザクザクしたギターを前面に出したり、女声・デス声コーラスを要所で投入したりしながらも、ボーカルパートはゆったり目にに展開しますが、サビに入るとツタツタ疾走開始。ここの歌メロが本当に流麗でツボを押されまくり。イントロでも顔を出した大サビでは、開けた壮大感を感じますし、個人的には本作中一番好みに入った曲になります。

05.Divine Place
オペラティックな女性コーラスが参加した、荘厳でヘヴィな印象のスローナンバー。Bメロで少しテンポアップしますが、全体的にはゆったりと進行しており、こちらでも朗々と歌うボーカルを堪能することができます。あと珍しく(?)ギターソロが長目に収録されていたり。

06.Pendulum
重々しいメロディーのオルガンが印象的な、スローナンバーですが、前曲が神々しさを感じるなら、こちらはかなりダークで不気味な色を感じます。浮遊感のあるドラムとウネウネするベースに、Mana流のゴシックパンク要素を感じたり(過去曲ですと「Perish」がこんな音でしたが、本曲はその要素を更に推し進めた印象が)。それでもメロディーは流麗な辺り、これまでと違った要素も出しつつMdMの音に仕上げている気がします。
ただ、ここでスロー曲が続いた事で、アルバムの流れが一度止まってしまった印象も。個人的には、この後のAngeかAgnus Deiと曲順を入れ替えても良かったかな? とも。

07.The Pact of Silence
コーラスとシンフォニックサウンドをメインにした、2分程のスリリングなインストナンバー。
ホーン音による盛り上がりがツボです。

08.Ange 〜D side holy wings〜
1stアルバム「Dix Infernal」収録曲の新録バージョン。
オルガンとチェンバロが乱舞する疾走メロディアスナンバーなのは原曲と変わりませんが、イントロに荘厳なコーラス+サビが追加されたり、Bメロのバックでデス声コーラスが入ったりしています。また、バンドサウンドも太くなった印象があり、全体的に攻撃的になった印象があります。サビメロは一部Juka(現Shaura)のバージョンよりキーが下げられており、人によっては違和感があるかもしれませんが、そこは慣れの問題かな? 個人的にはこちらはこちらでカッコ良いと思いますよ。

09.Agnus Dei
フレンチポップ寄り、とまでは行かないかもしれませんが、跳ねたリズムと荘厳ながら明るさも感じるコーラスが印象的なポップナンバー。MALICE MIZERではこの路線は普通にありましたし、最近ではManaがプロデュースしていた分島花音がこの方面ですが、Moi dix Moisでこの手の曲をやるとは思わず(「Pageant」もありますが、あれは実質1曲入りシングルなので、外伝的な位置かなという気が)、初聴時はびっくりするやら懐かしいやら…w サビメロの幾分優しげなメロディーも好みにはまりました。

10.Sanctum Regnum
ザクザクしたギターとコーラス・オーケストラ音がメインの、儀式めいた重々しい楽曲。「d・i・x dix」の繰り返しが印象的ですが、一度だけバンド名を逆から発音したのにはどんな意味があるのでしょうか。

11.Dead Scape
エフェクトのかかったリズム隊によるイントロにおっと思わされますが、その後も上モノほぼ無しで突っ走る、攻撃的でアッパーな楽曲。がなるようなボーカル、ゴツゴツしたベース(ソロパートも!)による音作りも意外ですが、何より煽りパートと思われる掛け合いまであり、Manaからこういう曲調が出てきたという事に、何よりびっくりさせられました。そして、ここ一番! という所でのSethのシャウトが、あぁ自分ヴィジュアル系好きで良かったと思える微妙なパワーで安心しました(いや、これが良いんですって!)。それでもラストの大サビでは、一気に優美なメロディーを聴かせてくれますよ。

12.Dies Irae
本編ラストは、MdM王道とも思えるクラシカルな疾走ナンバー。こちらも前曲程ではありませんが、ザクザクとしたギターを中心としたバンドサウンドが効果的にキメられており、コーラスやシンセと絡む形になっています。サビに入ると一度テンポダウンしますが、後半は疾走しクラシカルでクサいメロディーを展開するのがツボ。

13.Baptisma
心音? と水の流れる音→オルガンとコーラスによる構成の、1分弱のSE。

***

サイバー方面や、ポップに振ったもの、攻撃的な要素に特化したものなど、1枚の中で、曲毎の色が豊かになったというか、幅の広い曲調が収録されたアルバムという印象を受けました。前作「DIXANADU」がちょっと印象薄いというか、食い足りなさを覚えたのに対し(疾走曲が好き、という個人的好みの問題なんだけど)、前作のバンドサウンドを前に出す、という流れを引き継ぎつつ、クラシカルなメロディーや上モノとの絡みもある…というか良い意味でどちらも過剰に供給してくれたのではないでしょうか。
前述の通りバラエティ豊かな構成になっているので、現時点での入門としても適しているのではと思っています。クラシカルな要素を持ったV系好きの方は是非。

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Moi dix Mois「Dialogue Symphonie」(2002)

01.Dialogue Symphonie
02.forbidden
03.Dialogue Symphonie (instrumental)
04.forbidden (instrumental)

作詞 01、02:Mana
全曲作曲・編曲:Mana

発売日:2002/11/19
品番:MMCD-030


***

2001年に活動停止したMALICE MIZERのリーダーであるManaが、翌年に結成したバンド、というかプロジェクト「Moi dix Mois(モワディスモワ)」の1stシングル。当時は結成発表時から、音源のリリースを首を長くして待っていた覚えがあります。後にメンバーの入れ替わりがありますが、当時のメンバーは、Juka(ボーカル。後にShauraに改名)、Mana(ギター)、Kazuno(ベース)でした。

以下各曲について。


01.Dialogue Symphonie
マリス時代を思わせるメロディーの優雅なストリングスから一転、チェンバロとオルガン、そしてギターをメインに疾走し始めます。JukaのボーカルはMALICE MIZERにも在席していたGacktに近い声質なので、やっぱりManaはこういうボーカルさん好きなんだなーと思った記憶が。かなり激しい音ですが、サビを中心に歌メロはとてもキャッチーなので基本聴きやすいと思います。ドラムも結構目立っていますが、叩いているのは元JILSのTohruで、後に正式メンバーになりました。帯の文句と被っちゃいますが、優美さと激しさが濃く同居した楽曲になっていると思います。

02.forbidden
こちらは打ち込みのリズムが前面に出た、インダストリアル寄りの攻撃的な楽曲。歌メロもサビ以外はあって無い様なものですが、要所要所でキラキラ言うチェンバロや、そのサビがかなりメロディアスという事もあり、こちらも実は聴きやすかったりします。ボーカルがSethになった後に再録された曲でもあります。

03.Dialogue Symphonie (instrumental)
1曲目のボーカルを除いたカラオケバージョン。

04.forbidden (instrumental)
2曲目のボーカルを除いたカラオケバージョン。

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リリース当時は、MALICE MIZERでいう所のBeast of Bloodや幻想楽園の様な、Manaの攻撃的な方向に特化したバンドといった印象を受け、後の作品でもその姿勢はブレていないように思います。やっぱり好きですわこういうの。
このシングルに限らず、クラシカルなメタル要素のあるV系バンドが好きな人は是非、マリスから後は聴いてないけど上に出したような激しめの曲が好きだったという人にも触れてみて欲しいバンドと思っています。

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Dialogue SymphonieDialogue Symphonie
Moi dix Mois

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