Syndrome「SLEPT DOLL」(2001)

01.SLEPT DOLL
02.衒学主義者の自称
03.SEXUAL〜CYBER OF CHARCTER MIX〜

全曲作詞・作曲・編曲:Syndrome

発売日:2001/01/20
品番:MSY-001(SYN-002)

Members
Vocal:龍夜
Guitar:Ruiza
Guitar:Ken
Bass:KISAKI
Drum:紫音


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長年インディーズV系シーンで活動しているKISAKIが、MIRAGE解散後に在籍していたSyndrome。2年あまりの活動中にあったメンバーチェンジを境に1期、2期と分けられます。
活動期間の短さもさりながら、1期ギタリストKen(健一)が現在メリーで、解散後2期メンバーだったRuiza、浅葱、SINでDが結成されるなど、現在有名所で活動している面子がいた点でもKISAKIバンドらしいといえるでしょうか。

本作はその1期Syndromeが2000年から続けていたツアーのファイナル、渋谷ON AIR EAST(現O-EAST)にて限定販売したシングルで、新曲・再録・リミックス各1曲ずつという構成。帯には500枚限定と記載されています。


01.SLEPT DOLL
イントロでフェードインするダークに這いまわるベースを軸に、アルペジオ主体のギターが絡むスローなダウナーチューン。
1期に関しては、龍夜のノーマル歌唱の弱さがよくネックとして挙げられていた記憶がありますが、こちらでもサビでの高音は確かに苦しく弱々しい印象。ただ、この手のボーカルは一昔前のダークバンドの典型的なアレでもあるので、今振り返れば彼のみが際立って……という訳ではないかも。そもそもこの曲、サビでも殆ど盛り上がりを見せず、終始ドロっとした不穏な雰囲気作りに徹しているような流れのため、歌メロが印象に残り辛いのです。ラストに若干盛り上げを見せますが、そこから発狂パートに移行することもなく沈んだ調子で〆るため、彼らの最初の配布CD「兎と羊」に近い印象もあったり。Syndrome流のゴシックパンクを聴ける楽曲とも言えるでしょうか。
これをタイトルに持ってくるのは色々と冒険だった気がしますが、熱心なファンが集まりやすいライブ会場限定という点で戦略的と言えるかもしれません。

02.衒学主義者の自称
2000年にリリースしたミニアルバム「蘇生」収録曲の新録バージョン。前曲と同じくザラついたベースがフェードインして始まります。
攻撃的ながらサビではメロディアス+間奏でナルシスティックな語りもつけるよ! な、これぞ2000年前後のダーク系バンドと言えそうなアッパーな楽曲。打ち込みを絡ませサイバーな印象もあった蘇生バージョンに比べると、こちらはバンドサウンドメインにまとめテンポも若干上げており、ライブでの演奏に近いのかな? と思わせられるアレンジとなっています。
個人的にはデジデジした原曲が好みだったりはしますが。

03.SEXUAL〜CYBER OF CHARCTER MIX〜
1stデモテープ「SEXUAL」収録曲のリミックスバージョン。
現時点でオリジナルを聴いていないので聞き比べられないのですが、サイバーでダンサブルなアレンジながらザクザクとしたギターのトラックもメインに使われており、ちょっとインダスリアルチックな面も感じられます。ボーカルのギャウギャウシャウトが反復されるのも面白い(笑
この前にも全曲リミックス音源で構成されたシングル「fiction」を出したりしているので、何気にそちら方面への意欲が1期ではあったのかもしれません(オムニバス「B.J maniac」には、この音源使ったメドレー型式の曲があったりする)。
本作ではリミックス担当のクレジットがありませんが、「fiction」と同じくBUZZ DEVILの人が手掛けているのですかね?

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良くも悪くもファン向けといった感のあるシングル(販売形態が正にそうなので間違っては居ないのだけれど)。タイトル曲は2007年に出た2枚組ベストで聴く事ができますが、遡って集めたい人は「衒学〜」の新録バージョンを目当てにするのが良いかもしれません。
2016/06/29 追記:ベスト盤の「衒学主義者の自称」は、本シングルのテイクが収録されていました。失礼しました。

sleptdoll


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