一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

タグ:deadman

deadman「雨降りの向日葵」(2003)

01. 雨降りの悪い夢
02. faith head
03. 向日葵

全曲作詞:眞呼
全曲作曲:aie

発売日:2003/10/11
品番:dsds-004


***

1stアルバム「no alternative」の後にリリースされたシングル。3曲共アルバム未収録。
個人的な話になりますが、彼らの活動中唯一リアルタイムで手に取ったCDだったりします。出す音源出す音源すぐにプレミア化していたバンドという記憶がありますが、その中では結構流通量が多かったCDだったような。

以下各曲について。


01. 雨降りの悪い夢
イントロのカラッとしたギターが印象的な、deadman流? のポップナンバー。
シンプルな音作りですが、その事によってキャッチーでちょっと哀愁も感じる歌メロが映えており、コーラスを加え歌い上げるサビも耳に残る結果になっていると思います。歌詞に関しては、決して明るいとはいえない内容なのですが(寧ろ諦観めいたものも感じる)、却って曲調との対比が鮮やかになっている気もしますし、それが終盤の開けた大サビで感じる優しい印象に繋がっているのかなと。
これで初めてaie氏の曲に触れたということもあってか、今でも飛び抜けて印象深い1曲。

02. faith head
ザラザラしたギターと、コロコロと展開を変えるリズムをメインとしたオルタナ+プログレの要素を併せ持った(?)印象の楽曲。
疾走するサビパート(こちらも中々キャッチー)だけ抜き出すと、王道ギターロックといった趣もありますが、全体を聴くと一筋縄でいかない感じが残るというか。「遠くへ 遠くへ」と繰り返す辺りでは、ちょっとオリエンタルっぽい印象も受けます。

03. 向日葵
タイトルから連想される健康的な要素は何一つ無いと、イントロ数秒で思い知らされる(勿論わざとでしょうが)ダウナーなバラード。
何気にベースが動きまわる暗めのアレンジの中で、やはり朗々と歌い上げるボーカルが前に出ていますが、1曲目とは対照的に、こちらはネガティブな感情をより強調してくるような相乗効果的なモノを感じます。

***

三者三様といった感のあるこのシングル。個人的にはやはり1曲目のインパクトが大きいのですが、改めて聴くとno alternativeの流れもしっかり汲んでおり、今でも入門に適しているのかなと思ったりします。

雨降りの向日葵雨降りの向日葵
deadman

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deadman「no alternative」(2003)

01.intro
02.盲目の羽根と星を手に
03.苦悩の中の耐え難い存在
04.受刑者の日記
05.銀のパラソル
06.ドリスからの手紙
07.rem.
08.imp
09.lunch box
10.in media
11.circus
12.through the looking glass
13.quo vadis
14.蟻塚

作詞 02〜07、09〜14:眞呼
全曲作曲:aie
全曲編曲:deadman

発売日:2003/03/08
品番:DSRDA-0001

Member
Vocal:眞呼
Guitar:aie
Bass:Takamasa
Drums:Toki


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2006年に活動を休止したdeadmanが2003年にリリースしたフルアルバム。現在the god and death stars、highfashionparalyzeで活動しているaieがギタリストとして在籍していました。
全14曲で1980円という、洋楽並みのコストパフォーマンスの良さも当時話題の一つになっていたような。

実のところかなり最近になって手に取ったアルバムなのですが、しっかりと楽曲を支えるリズム隊を下地に、ザラッとしながら乾いたギターが動きまわる音作りがメインとなっており、そこにV系歌唱を基本としつつ表現が多彩な眞呼のボーカルが存在感を示しているイメージを受けます。
聴く前にはもっと陰々滅々としたアルバム……という予想があったのですが、基本的にそのボーカルが立っており曲数の割りに飲み込みやすい印象、でも全体的に憂いのある雰囲気も感じたり。「ドリスからの手紙」のような切ないミディアムバラードや、軽快なシャッフルリズムが印象的な「in media」等もしっかり主張しています。
個人的に特に入ってきたのが、そのザラザラしたギターが前に出たハード寄りの「受刑者の日記」と「lunch box」。特に後者は反復される猟奇的なフレーズを吐き捨てるように歌いつつ、サビでは朗々と歌い上げる対比的なボーカルもあり、スリリングな1曲となっています。個人的に、「REDDISH COLLECTORS NO DEAD ARTIST」をリリースした辺りのMerry go roundを思い出したり(そう言えば、確か眞呼さんはメリゴのローディーをしていたような)。

私自身にレコーディング関係の知識がないので何とも言えないのですが、他所のレビューサイトさんでは録音状況があまり良くない事が軒並み指摘されている事は触れておいた方が良いのでしょうか。確かにヘヴィさを押し出したアレンジではないものの、個人的には極端に軽さは感じない……どころか、シンプルな音数でパンキッシュな面を持つ本作では寧ろ丁度良い塩梅にも思えるのですが、どうなんでしょう。
これを書いている時点では未聴ですが、活休後にミックスをし直し一部新録も行った2.0バージョンが2009年に出ているので、今から聴く人はそちらの方が入手し易いかと。私もその内聴き比べてみたいですが。

リリースされた時期を考えると、シーンのメインとは全く違った所を掘り込んだアルバムだったのかなとも思いますが、それ故変に時代を感じることもなく、内面から滲み出るような黒さとポップさを今も味わうことが出来るのではないでしょうか。

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